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(idea2019年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
今回は、藤沢町西口地区の白澤神社に伝わる「御例(おためし)神事」という占い行事をピックアップ。1月の夜に神社に集まって行われるというこの行事は一体どんな内容で何を占うのか…!?行事に同行させていただき、調査しました!
450年前から伝わる粥占い
「おためし神事」は、藤沢町西口地区の白澤神社に伝わる筒粥神事(粥占い)で450年ほど前から行われていると伝えられています。
七草がゆにちなんで毎年1月7日の夜に宮司さんや氏子の皆さんが白澤神社へ行き、五穀豊穣祈願の後、「おためし」がスタート。
鍋の底にヒエ、アワ、桑などの作物の名前や日、雨、風など天候が書かれた19本の「モノダメシ」と呼ばれる小さな竹筒を置き、米5合と塩をひとつまみ入れ、紙垂(しで)を垂らした三叉に組み合わせた木に鍋を吊るし、五穀豊穣祈願で使った御灯明で火をつけ粥を炊きます。
(写真右下)粥が炊けるまでの間、稲作の田起こしから種まき、収穫などを、農具を模した道具を使って「精を出せ」という意味の「セーヤレ、セーヤレ、セーヤレヤ」という掛け声と共に演じます。
天候は〇、作物は…
粥が炊き上がったら西口コミュニティセンターに持って行き、粥の中から竹筒を出して中に入っている米粒の数でその年の天候や作柄を占います。
今年の結果は、日や雨など天候に関してはまずまず良い数字でしたが、米の収穫を表す「なかて」「おくて」や大根などは1という結果となり、宮司さんから「豊作には皆さんの努力が必要。お互いの経験を活かして、よいふるさとにしていこう」という旨のご託宣がありました。
「おためし神事」は、今年度から神社庁の「過疎地域神社活性化推進施策」の推進地域に指定され、今年はのぼりを作ったり、チラシやラジオでPRした甲斐があり、例年よりも参加者が増えたそうです。神事が終わった後も地域の皆さんで歴史あるこの行事をどうやって後世に伝えていこうか熱心に話し合われていました。
(写真上)数字の下の「ト」のような字は「分」の略字で、数字が大きいほど良いとされています。