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(idea2019年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
当センタースタッフが市内から1つの地区を選び、読むことが難しい地名を100人に聞いてみる「難解地名に挑戦!」シリーズ。
今回の対象地域は「萩荘(一関)」。果たして全問正解者は現れるのか!?
萩荘地区は、一関工業高等専門学校や修紅短期大学といった教育機関などがある黒沢地区と、自鏡山(じきょうざん)や久保川(磐井川支流)などの自然に囲まれた市野々(いちのの)地区の2つの地区があり、史跡や文化が数多く残っている地区です。
調査結果をランキング形式で左表にまとめました。上から正解率の低い順に並べています。
正解率がもっとも低かった地名は、「忽滑沢(ぬかりざわ)」でした。
そして、なんと!正解者が1人もいないという初の快挙を達成。忽滑沢恐るべし・・・
※ゼンリン住宅地図に掲載されている地名の読み仮名を正解とします。
(「ガマ・カマ」「ヤヂ・ヤチ」なども区別しています)
萩荘市民センターから国道457号線を南西へ約2㎞進むと、泉山停留所(なの花バス)があります。停留所を左折し、約3㎞道なりに進んでいくと、忽滑沢に到着します(下図参照)。ちなみに、忽滑沢は「上忽滑沢」と「下忽滑沢」に分かれています。
今回、萩荘市民センター所長の佐藤洋一さんと主任の渋谷早苗さんが、ご厚意で調査に同行してくださいました。“いざ、探検へ! ”
神社を探す佐藤さんと渋谷さん
3人で忽滑沢を歩いてみると、民家はなく、1本の道路を挟んで田んぼや林が大部分を占める静かな場所でした。
そんな中、上忽滑沢に「よその方にはあまり知られていない『天神社(あまさじんじゃ)』という神社がある」という情報を入手し、その場所へ向かうと・・・着いた先は、林の中。この林の一体どこに神社が!?
探検隊は、「神社がある」という情報だけを頼りに探す、探す、探す・・・。しかし、神社らしいものは見つからず、近くに住む方に聞き込みをしてみることに。
すると、忽滑沢に隣接している苅又(かりまた)で、神社を知っているという井上ご夫妻を発見!旦那さんが神社まで案内してくださるということで、再び向かった先は・・・
なんと先程まで3人でさんざん神社を探し回った場所。「あそこに鳥居があるんだよ」と旦那さんが指を指すと、周りの色と同化している石の鳥居を発見!
鳥居を通過し、神社があるという方向へ。しかし・・・
あまりの道の険しさにこれ以上進むのは危険という判断から、調査を断念するというまさかの結末。リベンジを心に誓い、探検隊は帰路につきました。
探検後、地名の由来についてご夫妻に伺うと、「昔、切った竹を馬で運び、町まで売りに行っていたそうですが、この地域は土がやわらかいため、馬が滑り、ぬかるんでいたことから『忽滑沢』という地名になったといわれているそうです」とのこと。
また、「地元の人でも忽滑沢の地名は読める人が少ない」とお話しされていました。
“天神社”の鳥居
≪萩荘難解地名ランキング1位の「忽滑沢」調査結果≫
忽滑沢は、民家のない静かな山間部で、昔は柔らかくぬかるみやすい場所でした。
取材協力:萩荘市民センター