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(idea2017年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
今どきの10代は、普段どんな方言を使っているのだろうか?
前回、冬にまつわる方言の独自調査を行いましたが、スタッフの間で「10代って方言使うのかな?」と話題になりました。そこで!!今回は方言編②として、10代を対象とした聞きこみ調査をすることに!
10代の若者が放課後集まるであろう場所を検討し、一関地域【なのはなプラザ】、大東地域【摺沢駅・大東コミュニティセンター】、千厩地域【千厩サテライト】、藤沢地域【縄文ホール】の4か所で聞き込みを実施しました!
今回は、一関40人、大東34人、千厩13人、藤沢14人の合計101人の方からご協力を頂きました。受験などでお忙しい2月中に快く回答してくださった10代のみなさん!本当にありがとうございました。さて、気になる“10代の普段使いの方言”ですが、なかなかおもしろい結果となりましたので紹介したいと思います♪
いずい(えずい)
なんと!14人の方が普段使う方言として、いずい(えずい)と答えました!
いずい(えずい)とは、標準語で言うところの違和感がある状態を示す言葉。「制服を着ていつもよりいずい」「新しい靴を履いていずい」のほか、「(体などが)チクチクする、イガイガする」などを表現するときにも使用されていました。ちなみに一関ではいずい、大東、千厩、藤沢の各地域ではえずいという回答が多く、気になって調べてみたところ、菅原幹郎(2011)『千厩地方の方言となまり~方言は地域住民の温かい道具~』には、【千厩地方のなまりでは「い」という発音はなく「い」を「え」と発音する】と記載されていました。まさに言葉の地域性も確認することができた今回の調査です。
※市内高校生の皆さん、写真撮影にご協力いただきありがとうございました。
このほか、少数派でしたが「まつぽい(眩しい)」「はしる(滑る)」「らっつぁない(散らかっている)」「もっけ(気の毒)」「ほいじょ(包丁)」などなどの回答がありました。ちなみに、当センターの大船渡市出身スタッフは、少数派の回答が「全く分からない」とビックリ!!確かに普段大人でも使わないような方言の回答もありましたし、「方言を使わない・わからない」と答えた10代も13人いました。突撃調査だったので、もしかして驚いて答えられなかったという方もその中にはいたかもしれません。
最後に、藤沢町芸術文化協会では、毎年方言川柳大会を開催しており、児童生徒から大人まで方言を使った川柳の力作が集められているようです。こういった地域の言葉や文化を伝える活動としての取り組みもおもしろいものですね。