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(idea 平成27年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆岩手事業所長:菊池 光明 さん
◆連絡先:〒029-0302 一関市東山町長坂字丸森86-1
◆電 話:0191-47-3388
◆FAX:0191-47-3881
千住スプリンクラー株式会社は、昭和49年に親会社である千住金属工業株式会社から製造部門のみ独立し、翌年に一関市東山町の柴宿地区に岩手工場を構え操業を開始しました。生産数が増えたことや、当時の東山町長が企業誘致に熱心であったことも加わり、平成2年に同町丸森地区にも工場を構え現在に至ります。
同社が生産している、消火用のスプリンクラーヘッドやバルブは、昭和50年代に大型店舗・観光ホテル等の大火災が相次ぎ多数の死者が出たことにより、消防法が改正し設置を義務化。高層ビルや大型商業施設等のほか、現在は比較的小規模な福祉施設等へも設置が義務づけられ需要が伸びています。国内には同社と同様の製品を開発・製造している企業が数社ありますが、なんと全メーカー出荷数のうち、同社は約70%ものマーケットシェアを占めているのです。「平成8年にアメリカの試験検査機関『UL』による住宅用スプリンクラーヘッドの認証後、国内だけではなく海外へ目を向けてきました。当社が40年間培ってきた生産技術と『安心』を、今後もここ東山町から世界へお届けしていきたい」と語るのは、岩手事業所長の菊池さんです。
一関市は、平成22年4月から地域の消防団員として2名以上入団している事業所や従業員の消防団体活動に対して特段に考慮している事業所等を消防団協力事業所と認定し、その証として表示証を交付しているのをご存知でしょうか?
同社の従業員は、133名のうち約8割が旧東磐井を中心とした市内から採用し、そのうち10名ほどが地域の消防団に所属しています。同社は平成25年7月に市の消防団協力事業所として認定されており、火災発生等の緊急事態には出動要請を優先し、その要請が発令した翌日は、同社独自の制度で休暇を得ることができます。「当社では『労働・倫理・健康と安全・環境』の4つのポリシーに基づき企業活動を行っていますが、地域貢献という言葉の『あれもしました、これもしました』ではなく、一人ひとりが『地域の一員としてどう関わるか』を企業として支えることが大事なのではと感じます」と語る菊池さん。自身も、22歳で地元にUターンし、自治会活動も積極的に取り組んできました。「仕事人として企業に勤めていても、家に帰れば地域の一員。自治会活動は現在も役員などいろいろ任せられたりするけれど、苦にはならないよ」と続けます。
「江戸時代の消防は、威勢のいい火消しが活躍しました。現代では、自動消火スプリンクラーシステムが快適で安心な環境を守ります」これは、同社の会社案内に書かれてある文章の一部です。製造工程及び消火能力や環境活動の取り組みについて多くの方々に知っていただくために、工場見学を随時受け入れています。これまで、各地域の消防団や地元中学校の職場見学の受け入れをしてきました。事前に同社に連絡をすれば最大30名まで見学可能とのこと。
一関市東山町から世界に羽ばたく開発・製造技術と消防団協力事業所として地域に根ざした企業の在り方をご覧になってみてはいかがでしょうか?