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代表取締役社長 北田文人 さん
(idea 平成28年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代表取締役社長:北田 文人(ふみと)さん
◆連絡先:〒029-0803 一関市千厩町千厩字北方174
◆電 話:0191-53-2070
◆FAX:0191-53-2070
一関市千厩町には、国登録有形文化財である横屋酒造の造り蔵や旧佐藤家住宅を中心に、大正ロマン漂う商店街が連なり、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気が味わえます。4月から10月の第2土曜日には「せんまや夜市」が開催され、レトロな街並みに人々が集まりにぎわいます。
ここに千厩まちづくり株式会社が設立されたのは平成17年4月のこと。新一関市誕生の年です。
設立の背景は、「地域が廃れることへの危機感。この一言につきます」と語るのは代表取締役社長の北田文人さんです。時期を同じくして、国登録有形文化財である横屋酒造が倒産し、益々地域の活性が危ぶまれ、「なんとかしたい!」と立ち上がったのは地域を思う住民たちでした。この思いをカタチにするには、旧千厩町役場や千厩商工会との連携が不可欠と考え、幾度とない協議を経て「千厩町中心市街地活性化基本計画」を策定。住民への説明の後、市の第三セクターでタウンマネジメント機構(TMO)の千厩まちづくり株式会社が設立されたのです。
同社は、行政・商工会・各種団体・地域商工業者・地域住民・趣旨賛同者からなる企業で、地域の特性を生かした商業活性化マネージメントの体制整備や歴史的文化的資源を活用した観光拠点の形成、高齢者等のニーズに応じた商店街機能の再構築など5つの項目を目標とし実現に向けて日々運営しています。一関市の管理受託事業である「せんまや街角資料館」「千厩酒のくら交流施設」「せんまや馬事資料館」のなかでも、事務所でもある千厩酒のくら交流施設の活用では景観維持の他、消費者や観光客、地域住民にとって魅力的な場になれるよう工夫がなされています。「主屋・西洋館は事務所兼売店として使用していますが、大変有名な洋風建築家が設計し、千厩町民有志の蔵サポーターの会の皆さんのおかげで昔のままの形でしっかり管理・清掃されています。しかしながら、どれだけ地域の素晴らしい歴史的文化的建造物であっても、歴史だけではリピーターは来ません。そこに何かをプラスし日常的にこの交流館を活用していただけるような運営努力が必要」と語る北田さん。「建物の歴史や文化にも触れながらヨガやライブなど個々の楽しみ方を組み合わせて、できるだけ多くの方が千厩地域に来るきっかけを提供できれば」と続けます。
「せんまや夜市開催期間中、一番人が賑わうのは三軒茶屋のサンバチームが来た時」と語る北田さん。商店街をサンバの軽快なリズムとダンスで練り歩く姿は、非日常的で情熱的です。サンバチームが出演するきっかけとなったのは、東京都三軒茶屋で毎年行われる青空フェスタへの参加で、同社として毎年地域特産品を持ち込み「千厩地域をアピールしていく中で交流が生まれ実現した」と続けます。実際は企業設立前から青空市組合として21年間交流があり「人と人との心の交流、つながりを大切にしてきた結果」と北田さんは微笑みます。「どんな出会いも出来事も、何かしら地域に潤いを与えてくれるチャンスだと感じます。今後も様々な出会いを大切にしながら地域に潤いと活気を提供できる企業体でありたい」と最後に力強くコメントしてくださいました。
和室から眺める風情ある素敵な中庭