(idea平成26年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
組合長 菅原 豊一さん
住所:一関市大東町渋民字関ノ上144‐4
TEL/FAX:0191-75-3134
農産加工部施設隣接
地域の振興を図り、生産者の顔が見えるふるさとの産直
一関市大東町渋民地区にある地域特産物直売組合「産直ふるさと大東」は国道343号線沿いで、渋民橋から約200メートル南東に室根山を望む位置にあり、朝の採りたて旬野菜や果物、農産加工品や地元産米が店内を埋め尽くします。
「室蓬譲水の里」と呼ばれる自然豊かな同地区の住民が丹精込めて育てた農産物は、夕方には売り切れ続出という人気ぶり。80歳を過ぎ一人で野菜の栽培をしているという女性は、新鮮な白菜を持ち込み「みんなに買って食べてもらえて、作り甲斐がありますよ」とほほ笑えみながら、商品棚に陳列していました。
もともと、無人の直売所が点々としていた同地区は、料金回収が図れないという問題が生じ、その問題解決と高齢者の生きがいづくりの一環も込め、近辺の有人産直の先駆けとして、平成7年8月にいくつかの無人直売所をまとめた地域特産物直売組合「産直ふるさと大東」を設立しました。平成9年12月には冬場の品不足解消のため、組合員各々が情報収集や勉強を通し、地元農産物を使用した加工品を製造する農産加工部を結成。現在の組合員は100名程で、農産加工部は11名。地域の「おふくろの味」を伝承しながらも、アイデアを創出し新商品の開発などにも力を入れているとのことで、同組合長の菅原さんは、「大東町産の材料にこだわった加工品を地元の母ちゃんたちが一生懸命作っています。少々価格が高いと感じるかもしれませんが品質や味には自信があります」と語る姿から、お互いの信頼関係と安心安全な地元食材の提供をしているという誇りが強く感じられました。
地元でも大好評の山ぶどうソフトクリームは、組合員や加工部員が試行錯誤の末、平成21年4月から発売。大東町大原の「大原山ぶどうの会」が生産する山ぶどうの濃厚果実と、地元産の牛乳を使用し配合にこだわりをもっているとのことで、口コミで広がり市内外からも、山ぶどうソフトクリームを目当てに、多くの方々が同産直を訪れています。
同組合では、設立当初から年4回のイベントを通し、組合員とお客様そして地域の方々との交流を深めています。7月下旬のとうもろこし祭りでは、1日に数千本が売れる人気のイベント。11月の産直祭りでは地域の皆様方に日頃の感謝を込めて加工部や組合員が協力し芋の子汁のお振舞や、昔ながらの臼と杵を使用した餅つき大会を開催。「老若男女問わず、生産者と地域の方々の交流が生まれ、笑顔あふれるイベントだった」と、菅原組合長は振り返ります。
少子高齢化・農家の担い手不足と言われる今日この頃。お客様と組合員のふれあいや、生産者の愛情が詰まっている「産直ふるさと大東」は、地元農家や高齢夫婦などの生きがいと、地域の憩いの場として、日々賑わっています。
東日本大震災時には、震災2日後の停電の中営業を開始し、陸前高田市や気仙沼市から食料を求めて訪れる方々へ対応を優先。同時に復興支援の一環としてお手製の募金箱を置き、来店客に協力を呼びかけ過去2回市役所大東支所を通じて両市に寄付を行ったとのことです。