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（idea 平成28年７月号掲載）※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

◆代表取締役社長：菊地　慶矩(よしのり)さん
◆本店：〒021-0882　一関市上大槻街3-11
◆本社工場：〒029-4194　平泉町平泉字佐野原21
◆電　話：0191-46-4161
◆ＦＡＸ：0191-46-4165

明治44年3月、川嶋印刷株式会社の前身となる川嶋商事を初代川嶋善次郎さんが立ち上げてから105年を迎えた同社は、家庭や生活の必需品・貴重品を保管する化粧箱屋としてスタートしました。その後、初代の甥であり現代表取締役社長の祖父にあたる菊地岱亮さんが川嶋商事を引継ぎ、父である清さんが昭和11年に活版印刷機を導入し、昭和25年7月からは株式会社川嶋印刷所として運営してきました。

「我が社の基本理念は『愛行の実践』としています。愛行とは、私が創った造語になりますが」と語るのは、代表取締役社長の菊地慶矩さん。続けて「愛というのは人それぞれ感じることがあると思うんです。愛情の愛、出会いの会い、合点の合い。イメージは人によっても様々ありますね？私はお客様や取引先、従業員やその家族そして私たちが生かされている自然環境、住んでいる地域全てを含めて『活かすこと』を愛行ととらえています」と語ります。

「初代から運営を引き継いだ私の祖父は30歳で亡くなったので、若かった祖母は相当苦労しながら川嶋商事を守り、子どもたちを育てたと、よく聞かされたものです。営業や納品に行こうにも当時の移動手段は自転車や徒歩でしたからね。一日中かかったり、数日かかったりしたこともあったといいます。そんな時『小さな子どもたちは、どうしていたんだろう』と思うでしょう？昔はね、近所の人であったり従業員であったりみんなで協力し、みんなで育てる。それが当たり前。それは時代が変わっても本来同じで、子育て中の社員も育児と両立して自身の能力を職場で十分発揮できるような環境をしっかり整えること、協力が重要
ですね」と語る菊地さん。

同社は、平成19年、21世紀職業財団岩手事務所から「職場風土改革促進事業主」の指定を受け、仕事と子育ての両立支援制度を男性・女性社員双方が気兼ねなく利用できるよう子育てにやさしい職場づくりを推進しています。

「実はね、子育てを経験した社員数名の『こういうのがあったらいいね』『こういった協力ならできるよね』という声から始まったんです。社長が『こうしたいから、こうしなさい』では社員は本来の能力を発揮できないんですよね。何事も基本的な目的だけ提示してあとは社員に任せています。だから意外と社長は知らないことも多いんですよ」と笑顔で語ります。

川嶋商事を守り抜いた祖母と戦時中不在だった父の代わりに川嶋印刷所を切り盛りしていった母。菊地さんが語る子育てにやさしい職場背景に、女性の強さと愛情が伝わってきます。

平成14年、地球環境に考慮した企業活動のための国際規格ISO14001（環境マネジメントシステム）認証取得後、平成17年には「いわて地球環境にやさしい事業所（4つ星）」に認定された同社。年2回開催するクリーンアップ大作戦や地域の環境イベントにも積極的に参加しています。

「生命を持つものは人間や動物だけではなく、機械や扱う情報にもすべてに生命が宿ります。また、山・川・林・森など地球環境すべてに生命があるんです。バランスを崩さずどう活かすか、やはり行きつく先は『愛行』の一言。今後も自然環境保護活動に力を入れていきたい」と最後に力強く語っていただきました。