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「マルエスーパー柴宿店」を展開する「有限会社マルエ(「丸江スーパー」を展開する「(株)丸江」とは別会社)」は今年で創業50年。大東町大原でガソリンスタンドや食堂などを経営していた現代表の義父が、昭和47年に大東町大原と興田に「マルエスーパー」を創業し、昭和58年に3店舗目として柴宿店がオープン(大東町内の店舗は閉店し、現在は柴宿店のみ営業)。新鮮な魚介類や野菜等の仕入れ、お昼頃から夕方にかけては店内で調理した惣菜等の販売を行い、「新鮮なものを新鮮なうちに」提供することを心がけています。手作りの仕出し弁当のほか、近年では、東山町と大東町内の高齢者施設に食品等を納める業務も担っており、地域の「御用聞き」としての機能も果たしています。
(idea 2023年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
昭和43年から住宅団地として開発され、区画整備が進められた東山町柴宿。開発と合わせて、団地内にはスーパーも創業しましたが、諸事情で閉店せざるを得ない状況に……。
そこで白羽の矢が立ったのが、隣町(大東町)でスーパーを2店舗経営していた現代表(2代目)・熊谷和範さんの義父です。昭和58年「柴宿店もお願いできないだろうか?」と声をかけられ、既存店舗を買い取る形で3店舗目となる「マルエスーパー柴宿店」を開店したのです。
「義父はもともと商売上手で人望も厚く、協力してほしいと言われると、できないとは言わず、『どうしたらできるか』『どうすればより良くなるか』そんな風に考える人でした」と、熊谷さんは振り返ります。
宮城県で卸売りの営業職をしていた熊谷さんが婿養子として迎え入れられたのは35年前。同店含む旧東磐井郡内のスーパーに営業に来る中で、初代の三女に見初められ、営業職から一転、経営側となったのです。
魚の裁き方や「養殖よりも天然物を、冷凍よりも生ものを、陸送ではなく揚がりのものを」という仕入れのモットーを義父から学んだという熊谷さん。現在もその学びを活かし、朝一で気仙沼市から新鮮な魚を、市内からは採れたて野菜を仕入れ、鮮度重視にこだわり続けています。
団地内では住民の高齢化が進み、そうした状況は同店付近の住宅地にも。そこで同店では、昔からの顧客の昼食となるような惣菜(サンマの煮つけや鶏肉の煮物など、店内仕込みのもの)や刺身などの提供に力を入れています。「馴染みのお客様が多いので、元気がないことに気づくこともあります。そんな時は少しでも心配の種が和らぐように、ゆっくり話をします。話だけして買い物はしないという時もありますが、『来て良かった』という場でもありたいわけです」と熊谷さんは笑顔を見せます。
平成9年からは、東山町と大東町内計4か所の高齢者施設に食品等を納品する業務も担うようになりました。「鮮度にこだわった店舗運営はもちろんですが、これからは地域の方々にますます寄り添った形で『必要なところに必要なもの』を届けるお手伝いができれば」と続けます。
また、同店(社)とは別に、5年前から居酒屋も経営(店主は妻の牧子さん)。「地元のスナックが閉店するとなり、声をかけられまして。少しでも地域の潤いを絶やさないようにと、居酒屋として存続させることにしました」と開店までの経緯を振り返ります。
「地域のみなさんに支えられ、色んな情報をいただきながら経営ができています」と、感謝の気持ちを忘れない熊谷さんですが、目下の課題は後継者がいないこと。これからますます需要が増えてくるであろう「御用聞き」の存在を担い続けるために、団地の老舗スーパーは、「できること」を考え続けます。
新婚3か月目にはカツオ漁船に乗り込み、船員のご飯作りをしたという現代表の熊谷和範さん。
同店自慢の鮮魚売り場。
名物の焼き鳥は土日限定で、午後3時から、全品100円(税抜)です!
DATA
〒029-0302
一関市東山町長坂字柴宿7-85
TEL&FAX 0191-47-4311