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「地元の優良木材を最大限に活用すること」「地元の大工職人を活かし、その技を継承していくこと」がモットーの有限会社玉澤建設。自然素材に徹底的にこだわった新築・リフォーム・修理修繕を手掛けています。
昭和44年、現代表の父が製材業で創業後、隣町の大工職人に声がけをし、住宅建築を開始しました。昭和63年に現社名で法人化し、2代目には現代表の兄が、平成27年からは3代目代表取締役として玉澤豊栄さんが就任、現在に至ります。住宅事業にはお客様が命名した「木楽々工房」というサブネームを使用し、平成18年からは奥州市前沢区に展示場(モデル住宅)も展開しています。
(idea 2021年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「木材資源が豊富な日本ですが、住宅業界において木材自給率は3割程度。つまり、残りを外国産材に依存している状態。木材の輸送には多くの燃料を消費し、CO2を発生させています」と現状を語るのは、代表取締役の玉澤豊栄さん。刻一刻と深刻化する地球環境について、「家づくり」を通して警鐘を鳴らします。
同社が特に注目しているのが「夏の猛暑と冬の極寒」。「機械や設備を使わずに、太陽熱や風など自然エネルギーを利用した快適な暮らし」を提案するため、平成17年にエアパスエコプロジェクトに加盟。エアパス工法※1を取り入れたパッシブ・ソーラーハウスは「初期費用はそれなりにかかりますが、電力などのエネルギーを必要としないので、長い目で見れば経済的で、環境にも優しい仕組みです」と、同工法を推奨します。
※1 壁内に2つの空気層を設け、空気取り入れ口の働きによって空気に一定の流れをつくることで、夏は暑い空気が床下から屋根に抜け、熱気や湿気が残らず快適に過ごすことができ、冬は温められた空気が家全体を循環し、各部屋の温度差が無くなることで結露を防ぐ。
また、同社が発行する「木楽々通信※2」は、今年2月の発行で122号を数えます。同社で新築やリフォームをされたお客様の声や、現場の作業状況のほか、おすすめ本の紹介や地域の話題、季節に合わせた情報など、紙面は読み応え十分!
※2 同社ホームページにも掲載あり。
展示場での配架や、直接的なお客様向けの発行ですが「口コミで広がり、多くの方に目を通していただいております」と玉澤さんは笑顔を見せます
毎年秋には前代表が始めたお客様との交流イベント「薪割りくらぶ」を開催。薪ストーブのある家づくりも推奨する中で、「個々で薪を入手するのは大変だろう」という思いから、同社が地元の木を提供し、お客様自身に薪を割ってもらうという企画です。薪の乾燥作業(約2年)や乾燥後の薪の保管も同社で行います。
薪を割った後は昼食会を開催し、参加者同士や、同社と参加者との間で交流を深めます。昨年はコロナ禍を考慮して会食をなくし、人数制限をしての開催でしたが、6家族が参加したとのこと。
「地域住民の方も気軽に足を運べる『楽々ガーデン』という企画も開催しています。大きなイベントではありませんが、環境問題に関する話題提供のほか、家の手入れの悩み事や修繕修理の相談など、ざっくばらんに語り合う場となっています。住まいづくりは『建てて終わり』ではありません。日々暮らしている中で見えてくる住宅の困りごとなど、お客様の生の声を企業として聞くことができる場ともなっています」と、同交流の意義を語る玉澤さん。「今後も家族が安心して健康で暮らせる家づくりの提供ができるよう努めて参ります」と意気込みを聞かせてくださいました。
令和2年の「薪割りくらぶ」の様子。
同社では若手大工の育成にも力を注いでいる。
3代目代表取締役社長・玉澤豊栄(ほうえい)さん。