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~地域に根差す企業として~
(idea2012.vol4掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります
今回の、企業の地域づくり取材は、地域の観光と守って行くべき地域の宝について、一関市東山の(有)げいび観光センターへお邪魔し代表取締役の佐々木さん、企画営業部長の大橋さんにお話しを伺いました。
春夏秋冬それぞれ魅力的な表情で私たちの心を癒してくれる猊鼻渓。この絶景の景観維持と観光業務を担っている同観光センターでは、毎年ふるさとを巣立つ町内の中学3年生に舟下りの招待を行なっています。
ここ東山には、高校がないため中学までの学校生活や勉学に勤しんだ級友たちとの思い出とともに、「ふるさと猊鼻」をいつまでも心のなかに持ち続けていて欲しいという思いで、昭和63年からこの取り組みを行い、それぞれの進路先でも地元を誇りに思って欲しいという気持が込められています。また、これからの未来を担う地域の子どもたちへ、職場体験を通し船や川の管理等を教え地域を知ってもらうということに努力しているとのことです。さらに、旧東山町地域で発行されている「猊鼻渓舟下り町民パスポート」は世帯に1枚配布され、地元の人であれば無料で舟下りが出来るとのこと。このパスポートを利用し地域住民は、いつでも自分たちの宝を身近に感じることができ、同観光センターも地域住民とのコミュニケーションの一つだと感じているようです。
「猊鼻渓は企業の物ではない。東山地域みんなの宝であり、我々はそれを管理させて頂いているという気持ちです。」と社長の佐々木さんは熱く語ります。日頃の川清掃のほか、毎年7月7日は七夕にちなんで「川の日」とし、徹底的に川や周辺の清掃等を行う日と定め、観光振興会会員と従業員の積極的なその活動が、景観維持や綺麗な川の維持へとつながっているのだろうと感じました。佐々木さんは「時代はデジタル化社会であっても、守らなければならない昔ながらの手法や代々引き継がなければならない技術・伝統、そういった事を、これからも心に置き、地域と一体となりながら運営していきたい」と続けました。船の運行は竿を使った人力のほか、伝えられてきた「げいび追分」はこれからもあの絶景のなか幾年月が流れても変わらずに受け継がれて欲しいものです。
地域との絆を大切にしている同観光センターでは、東日本大震災発災後、いちのせき市民活動センターと連携し入浴施設・送迎車両の提供など迅速に活動を行ったほか、舟下りチケット代金の一部を義援金として寄附するなど活動を行いました。
「今後はこの地域の良さをもっとたくさんの方々に知っていただけるように情報発信の徹底と、地域の中のまだ世に出ていないものの発見・発展に力をいれ、益々、東山地域や一関市内の観光という地域貢献活動に取組んでいきたい」と企画営業部長の大橋さんは語っていました。