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(idea 平成28年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
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観光バス、スクールバス、路線バス、身近なタクシー等地域住民の足として日々運行している東磐交通株式会社。自社所有のバスには東山町の観光をPRすべく猊鼻渓舟下りのアートが描かれています。
昭和6年から郷土物流の第一陣を築いた同社前身の千厩貨物自動車有限会社は戦時中の統制令に従い両磐貨物自動車(株)に合併した後、昭和30年に分離し東磐運送(株)を設立。昭和42年にトラック部門として東山営業所開設を経て、昭和54年、旅客専門・旅行業の東磐交通(株)を設立しました。
「当時はね、東山町内や千厩町内に大きな企業があり、地域企業と契約して従業員の送迎を行っていたんですよ」と振り返るのは同社取締営業部長の足利勲さん。「今のように一家に何台も車がある時代ではなかったし、車が家庭にある方が珍しいくらいでしたら、送迎バスは大いに活躍した時代です」と語り、現在は企業送迎の契約はなく「それが時代ですよ」と続けます。
昭和60年頃から新たな取り組みとして“乗合バス”の運行を始めた同社。背景には地域の人口減少と家庭用自動車のブームがありました。「それまで、町内も県交通バスが通っていたのですが、利用者の減少で運行と管理が難しくなり、我々が自治体より代替バス運行を委託され、スクールバスや福祉バスの役割も兼ねて地域密着型の足となりました。確かに昔と比べれば断然利用者は少ないです。しかし、移動手段が限られている高齢者や学生が安心して地域で暮らすためには、要望や意見を聞きながら新しい取り組みが必要となってきます」と語ります。
平成21年からは、東山町と大東町を結ぶ猿沢線でデマンド方式(予約応答型タクシー)の運行を開始。県交通時代の停留所から、住民の意見を参考にバス停を増やし住民の使い勝手がよい環境づくりを行ないました。
また、県内でも唯一というリフト付き福祉大型バスは、障がいを持った方々や病気の治療中で車いすを使用している方々が安心してそのまま移動ができる内装(標準的な車いすの場合6名前後の乗車が可能)になっており、主に地元の支援学校・福祉施設・団体等の校外学習や遠足などにも利活用されています。「ベットで寝たままでもそのままバスに乗れます。以前、施設から一度も移動したことがないという方を近くの公園までバスを走らせました。その時のお客様の笑顔。本当に忘れられませんね」と振り返ります。「確かに大型バスですから、需要あるなしに関わらず管理費等々かかるわけです。しかし、私たちが向き合っているのは人と人。『楽しい旅だったよ』『出掛けられて良かったよ』『移動ができて助かったよ』そんな皆さんの言葉に支えられています」と目を細めます。
同社では、乗務員安全教育活動計画に従いお客様が安心して利用できるよう安全講習を行っています。さらに、業務内だけではなく従業員はプライベートも含めて運転に対し優良であることから、県警本部より「優良安全運転事業所」の金賞にも輝きました。