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代表取締役 髙橋政智さん
(idea 平成29年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代表取締役:髙橋 政智 さん
◆連絡先:〒029-0302 一関市東山町長坂里前105-8
◆電 話:0191-47-2899
◆FAX:0191-47-2807
地域名である東山の“東”と字名である里前の“里”を組み合わせた“東里工業株式会社”は、あらゆる(屋根や車産業以外の)板金加工を行う製造業で、設計から生産まで一貫して自社対応できる技術力と設備を保持している企業です。
「雇用の場を維持するのが、地域企業としての大きな貢献」そう力強く語るのは、同社代表取締役の髙橋政智さん。小さな頃からものづくりが好きで市内工業系の国立学校を卒業後、上京し金型製造会社に就職しましたが、長男であったために、両親の希望もあり7年後に地元に戻る決意をしました。
髙橋さんが帰郷を決意したと同時期に現東里工業敷地には、当時の東山町が誘致した企業が操業していました。髙橋さんはその企業に就職し、経験を積み工場長として尽力してきました。しかし、平成11年に倒産という残念な結果となり、誘致企業は地域から撤退していったのです。
平成13年8月、髙橋さんを含めた元従業員6人と、これまで仕事上のお付き合いのあった各方面からの支援を基に再起出発を図りました。「設備はほとんど残らなかったが、従業員には技術が残った。ずっとここで地元の人が安心して働ける場をつくろう」そういった願いも込めて、地域や集落の名称を一文字ずつ組み合わせた東里工業株式会社が立ち上がったのです。
創業当時6人だった同社でしたが、現在は64名の従業員を雇用しています。「当時はパチスロ関連機器の製造メーカーから機器製造の仕事を受注していましたが、現在は、精密板金加工・レーザー加工・製缶加工・試作品製作・産業用機械の設計製作まで手掛けています。例えば、駅構内のホームにある転落防止用に設置されている柵や、電車内のトイレユニットも当社で製造を手がけました」と語り、「弊社には営業職はいませんが、信頼と実績はもちろん、仲間同士の情報交換をしながらお仕事をいただいています。地元とのつながりも、同業者仲間がいることも本当に心強いことです」と続けます。
髙橋さんは、同業者が集う北東北シートメタル工業会(秋田県・青森県・岩手県から約50社)の会長も務め、同業界の情報交換の場、お互いの工場見学、国家試験へ向けた勉強会の開催などを企画し「困ったときはお互い助け合おう」「情報はみんなで共有しよう」と同業者の仲間づくりにも力を入れています。
倒産からたった6人で再スタートを果たした髙橋さんは、この経験を基に出身中学校の出前授業で講師を務め、地元中学校の職場体験や工場見学の受け入れも積極的に行っています。「『私たちの身近なところに、地元東山でつくっている製品があるんだよ。ここから産まれているんだよ。みんな地元に誇りをもって夢をもって』そういった思いを子どもたちに見て触れて感じてほしいと思っています」と語ります。
平成27年、同社は創業15年を迎えるにあたり、自社製品“ソーラー蓄電照明装置・防犯灯”3基を東山中学校へ寄贈しました。「これまでの地域への感謝と子どもたちの安全な通学に役立ててもらえればという思いでお届けしました」と当時を振り返り「これからも地域とお客様に満足していただけるよう努力し、子ども達に誇れる企業として頑張りたい」と語ってくださいました。
東山中学校へ寄贈したものと同じ防犯灯
東里工業敷地内 従業員駐車場