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組合長　岩渕修一さん

（idea 平成29年４月号掲載）※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

◆組合長：岩渕修一さん

◆連絡先：〒029-0802　一関市千厩町小梨字尖ノ森158-2

◆電　話：0191-53-3521

◆農産物加工施設：食工房かのん

◆電　話：0191-53-3077

　一関市千厩町小梨地区の尖ノ森(とぎのもり)集落と水田を所有している近隣集落併せて43世帯が参画している農事組合法人とぎの森ファームは、「地域の農地を継続的に耕作するため、地域の担い手としての経営体になる」を経営目標に農事組合法人を立ち上げてから、今年で13年目になります。

　「尖ノ森集落は、典型的な中山間地域。水源流域面積が小さいため、昔から農業用水不足で悩まされてきた集落です。また、昭和44年に県単小規模土地改良事業に着手し基盤整備を行ったほか、翌年には尖ノ森水稲生産組合を組織。集落内で共同作業することで、これまでの課題とされていた代掻きから田植えまでの、最も水を必要とする期間の水不足が解消されたほか、田植機などの機械化も進み、農繁期の農作業の軽減にもつながったのです」と語るのは、同ファーム副組合長兼事務局の千葉賢さんです。

　平成14年には集落内の約半分の水田で、基盤整備事業を実施。「この基盤整備を契機として、平成16年には『これから先個々の農業経営では限界が見えるのではないか？』と思い、農業従事者の高齢化や担い手不足などの諸課題を解決しようと、集落内で幾度となく協議の場が設けられ、農事組合法人とぎの森ファームが設立された」と振り返る千葉さん。

現在は、営農部門では水稲、大豆、小菊栽培などを組み合わせた複合経営を実施しています。

　同法人では、平成24年から営農部門のほか、加工部門（常時雇用4人）を設け地域における雇用の創出と農家所得向上を目的に加工施設「食工房かのん」を立ち上げました。同施設内では、地域内の農家が栽培する季節に合わせた様々な農作物を利用し、普通のお弁当のほか、カロリー控えめな「ヘルシー弁当」や高血圧や塩分制限をしたい方のための「健康弁当」など、家庭の食事をイメージした地産地消型のお弁当を作っています。ここで作られたお弁当は登録をしている高齢者宅などにお配りしており、現在、町内外約50名の方がご利用しています。さらに配食サービスと併せて、在宅高齢者の見守りも担っており「今後、ますます高齢化が進むと思われるので今後も配食サービス事業は継続したい」と語り、「実は今、特産品開発に着目しているところなんですよ。まだまだこれから検討していくことですからぼんやりとした形ですが、とぎの森ファームで収穫した農産物を使用して“ここでしか手に入らないもの”ができたらいいな」と続けます。

尖ノ森集落の基幹産業である農業を将来的にも維持継続していくためにも、「若者が参画しやすく、魅力を感じられる法人の運営をしていきたい。ゆくゆくは、それがきっかけとなり、定住人口の減少を食い止めることができたら」と現在の課題“若者の担い手不足”について語る千葉さん。「若者が感じる就労の魅力といえば、通年雇用の安定した法人経営」と続け、「集落には専業農家で若い後継者もいます。そういった方々とも話し合い、お互いを刺激し合いながら将来に夢のある農業の実現に向けて努めたい」と語っていただきました。

心のこもったお弁当を宅配しています。