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主に大東、東山地域の造園・樹木整備等を行っている大東町大原の鈴木造園は、昭和55年に起業、現在は40代~60代まで7名の従業員を抱えています。請負い業務は作庭行為、石材取扱、造園空間建設施工、空間の維持管理(剪定や植栽管理、植木の手入れ等)、名所・歴史的都市整備、名木の保存、景観形成など多岐にわたります。現在73歳となった代表の鈴木隆廣さんは、一般社団法人岩手県造園組合理事や、両磐地域職業訓練センターで造園に関わる講師を歴任し、造園空間の魅力発信、伝統的な施工や管理の手法継承、そして造園関連の事業構築まで幅広く携わってきました。
(idea 2020年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「和と洋が融合した庭づくりに力を入れている」と語るのは、鈴木造園代表で一級造園技能士・登録造園基幹技能士の鈴木隆廣さん。鈴木さんは関東で車販売の営業職に就いていましたが、取引先だった造園業者の日本庭園に感動、その技術に魅了され、31歳で造園の道を志します。
3年の修業を経て地元で起業した頃は「造園ではご飯が食べられない、将来性がないなど、生業とすることを心配されましたね。たしかに庭づくり・手入れ作業は少なく、植木の販売が中心でした」と振り返ります。
若い頃に培った営業力が功を奏し、造園の仕事が増加してきたのは20年ほど前のこと。海外で日本庭園がブームとなり、国内でも話題に。同時期にガーデニングが流行し「庭づくりに興味を持ち始めた人が多くなったのでは?」と鈴木さん。 「『ガーデニングを和で表す』私はここに面白みを感じています。庭づくり・管理は昔ながらの技術が継承されて現在に至ります。最初の庭木1本でその後の庭石の組み方などの構成が決まりますからね。もちろん職人の経験やセンスもありますが、昔ながらの技術をどう伝え、どう残していくか、これがこれからの私たちに課せられた使命でしょうね」と続けます。
これまで、日頃の造園業務に加え、組合理事や職業訓練センター講師として、広域での技術指導にも取り組んできた鈴木さんですが、「自分の庭を自分で管理したい」という住民ニーズに応えるべく、広域の技術指導は若手に任せ、現在は地元市民センターや地域協働体、自治会等による事業など、地域住民にとってより身近な事業への協力に力を入れています。
特に大東町内の市民センター事業として開催される剪定教室(春と秋)は需要が多く、予約が殺到しているのだとか。教室では低い庭木の基本的な刈込を中心に指導しますが、
最近は女性の参加が増えており、根本的な道具の準備や使用方法、刃物の研ぎ方、そして最後の片づけ方まで教えています。教室終了後には受講者から「次は藤の花や松の木の挿し木方法を教えてほしい」などの熱心な声があがるそうです。
また、自治会などが開催している植樹事業でも、基礎から管理の方法まで指導しています。
「植樹は住民の交流にもなり、とても素晴らしいことです。しかし桜はもともとテングスという病気を持っており、管理(消毒など)をしっかり行わないと、病気によって朽ちてしまいます。植えるだけ、見るだけで終わりではなく、桜に限らず、『木々には命があり愛情を持って健康状態を聞きながら成長を見守りましょう』とお話をさせていただいております」と鈴木さん。続けて「緑豊かな地域を後世に残すべく私たちも微力ながら地域の木々の管理に努めていきたい」と今後の抱負も語ってくださいました。
これまでの庭づくりを振り返る代表の鈴木隆廣さん
大東町大原 川内自治会の植樹祭にて苗木の管理について指導(手前が鈴木さん)
庭木・庭石のバランスが絶妙に図られている鈴木さんの施行例
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