※惜しまれつつも閉店されました。長い間本当にありがとうございました!
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店 主 菅原 惣子 さん
(idea 平成29年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆店 主:菅原 惣子さん
◆連絡先:〒029-0202 一関市川崎町薄衣字千石217-2
◆電 話:0191-43-4115
◆FAX:0191-43-4115
平成16年9月創業の麺工房いよりは、自家栽培蕎麦や野菜など素材そのものの味を大切にしているこだわりの店。「客層は、どちらかというと地元の方よりも県外の方が多いんじゃないかしら?」と答えるのは、店主の菅原惣子さん。旧川崎村役場を退職後、家族の勧めもあり、麺工房いよりを開業しました。役場勤務時代から休耕地を利用した蕎麦栽培、有機農法(EM農法)による野菜栽培の他、蕎麦打ちを趣味としていた菅原さん。「もともと食に関心があってね、そういうことに関わる事をしてみたいと思ってはいたけれど、まさか、店を構えることができるとは予想していなかったのよ」と当時を振り返ります。
こだわるのは食材だけではありません。「ゆっくりくつろいで召し上がっていただけるような家庭的な居場所にしたい」と店主自らが店内の設計をしました。天井が高く、日の光が優しく照らす店内には、地元の建築家と相談を重ねたという国内産の大木を加工したテーブル席が3つ、奥門には10名程度が一度に利用できる個室が1つあり、国道284号線を行きかう車たちの騒音を忘れ、季節折々の田畑や山の様子を窓から眺めることができます。
また、使用している食器もほとんどが菅原さんの手作りで、「昔からの趣味(陶芸)を活かし、オープンに合わせて制作したんです」とのこと。一つ一つが手作りなので、色合いや形がさまざまですが、どれをとっても人の手でつくられた温かみとおもてなしの心が伝わります。
千厩方面から国道284号線を進むと、左手側の千石河川公園付近に麺工房いよりがあります。「地域の方から紹介していただいてね。見晴らしいいでしょ。こんなふうに地域のいい場所を見つけてくださったり、紹介してくださったり、本当にありがたいことですよね」と語ります。菅原さんは、地元集落のつながりについて「昔ながらの行事で、御精進※ってあるんだけど、そういったことも伝統として受け継いでいますね。そこにも食が深く関わっていて、絶やさないことも大事だなと感じます。それから子どもが小さい頃から集落8軒ぐらいで集まっているクローバー会。ここは情報収集・交換の場で、こういった仲間たちがいるからこそ、地域でのつながりがより深くなるし幸せだなと感じます」と思いを語っていただきました。
※精進(しょうじん)とは、仏の教えによって、仏道修行に努めること。肉類などの美食を避けて、野菜・山菜・穀類などを中心にした粗食を食することも修行の一つ
菅原さんは「やるからには一流の名人に指導をもらおう」と宮城県で蕎麦打ちの修業をしました。研修中にはボランティア活動として被災地や仮設住宅などを回り、打ち立ての蕎麦を提供したこともあるとか。現在、菅原さんはお一人で一日10~20人(平日平均)分の蕎麦を打つので、「地元の主婦パートさんの力添えもあって、運営できている」と感謝の言葉が溢れます。「一時期ね、ある情報誌にいよりを紹介して頂いたんだけど、それから急にお客さんが増えて。従業員といっても地元のお母さん方だし、すべて手作りですから。時間もかかるわけです。せっかく来ていただいたお客様お一人お一人に向き合うことができない時期があったんですよ。ああいった思いはできればしたくないですね」と寂しげに語ります。こだわりのある職人の菅原さんだからこそ、お客様へ100%のサービスをしていきたいという気持ちがこちら側にも伝わります。
最後に「どこでも聞くようだけれど、私は食に携わる者として、安心安全な食の提供を今後も継続していきたいですね」と輝く笑顔で語っていただきました。
菅原さんが発案された揚げむすびも大人気!!
会食・懐石料理も承っていますが要予約。また、混雑時は少々お待ちいただく場合がございます。