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兵庫県明石市で開催された全国大会での集合写真(令和元年)
(idea 2024年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「地域をもっと元気にしたい!」をモットーに、「いちのせきハラミ焼」を通して、一関を広く全国に紹介・宣伝し、一関の良さを広めるべく活動中。関東支部(駅伝等、室根に縁のある若者の集まり)会員、サポートメンバーなども合わせると、約50人ほどで活動(主要メンバーは13人)。
TEL 0191-64-3587(一関市室根市民センター)
1羽の鶏から約20g(2個)しか取れない希少部位「鶏ハラミ」。玉ねぎとニンニクの芽とともに味噌ベースの特製だれを絡めて鉄板で焼けば、コリコリとした食感と甘辛い味付けがクセになる「いちのせきハラミ焼」の完成です。
このハラミ焼を「ご当地グルメ」として開発し、「ご当地グルメによるまちおこし」に取り組むのが室根町の若者を中心に活動する「いちのせきハラミ焼なじょったべ隊」です。
室根公民館(現一関市室根市民センター)では平成3年より「青年ふれあい塾」と題し、青年層向けの社会教育事業に取り組んでおり、各種研修や若者同士の交流のほか、エコキャップ回収や、米寿を迎えた方へ記念品の贈呈などの企画は、現在も続けられています。
そんな「青年ふれあい塾」の中で平成21年、話題にあがったのが、当時全国的に注目が高まっていた「B-1グランプリ」。ご当地グルメでまちおこしを行うボランティア団体による祭典です。「B-1出展を目指すことで、地域に何か貢献できるのでは」そんな若さゆえの軽いノリが全ての始まりでした。
「ご当地グルメ」を掘り起こすため、青年ふれあい塾の活動の中で、まずは家庭料理を各自が持ち寄ることに。その中の一つに、鶏ハラミを使った料理があり、メンバーたちが注目。当時、鶏ハラミの認知度は低く、鶏肉製造の段階でも鶏ガラと一緒にされていたのですが、「昔は食べていたらしい」という情報から、調理してみたところ、塾生の間でも高評価。
「かつては食べられていた料理の復活」という文脈で、鶏ハラミをご当地グルメ化していくことになったのです。
「B-1グランプリ」への出展には「愛Bリーグ」への加盟が必要で、その加盟には様々な条件が。営利を求めないボランティア団体であり、「食」を売るのではなく「地域」を売る……。室根を盛り上げようと活動していた若者たちには、名称を「むろね」にするか「いちのせき」にするかの葛藤がありましたが、検討を重ねた結果、「全国にPRするのであれば『いちのせき』の方が良いのでは」と、「いちのせき」を選択し、広い一関市をPRしていくことを決めたのです。
視察や研修、メニュー開発を進め、平成23年7月には室根町の夏まつりにて無料試食会を実施。同年9月に愛Bリーグへのオブザーバー登録という、夢への第1歩を果たします。この登録とともに、青年ふれあい塾から独立し、なじょったべ隊を結成。震災復興の機運もあり、結成直後からイベント出展ラッシュ状態となったのです。
週1回以上のペースで出展を続ける日々でしたが、その活動実績が認められ、平成25年、北海道・東北支部会員になると、同年9月、「北海道・東北B-1グランプ㏌十和田」に出展。翌年には本部加盟団体となり、同年10月、ついに夢の舞台「B-1グランプリ㏌郡山」への出展を果たします。
全国大会規模だと、必要となるスタッフは50人以上(大会コンセプト上、食の提供スタッフと同等数の地域PRスタッフを用意する必要あり)。出展2か月前から様々なシミュレーションをします。ブース内レイアウトの検討時に活躍するのが、製造業関係に勤めるメンバー。効率の良い動線や作業手順などを提案してくれます。接客業に従事するメンバーがお客さん対応のノウハウを、保育所等に勤めるメンバーが地域PRのパフォーマンスを検討するなど、メンバーの得意分野を活かしながら、通算4回の全国大会出展をこなすまでに成長しました。
コロナ禍で大会の見合わせが続いていましたが、目的が「まちおこし」である以上、「今の体制でできること、出展ではないやり方を考え、実践している」という同会。室根地域の小学校への出前授業は5年以上続いており「まちづくりに関心をもつきっかけにして欲しい。いろんなやり方があって良くて、自分たちはその一つにすぎない」と、子どもたちの視野を広げる一助を担います。
市外でのPR活動に注力してきた同会が、今後、活動を通して目指すのは「市内の交流人口を増やす」こと。旧町村の垣根を超え、互いに交流し、PRし合えるようなまちを目指し、活動を続けます。
まやもと あきら
山本 郷さん
32歳でUターンし、青年ふれあい塾に参加。愛Bリーグ支部会員になる際に「鶏総裁」という役職を創設し、会の顧問的な位置づけを担っています。
A.ワクワクする活動で一関を楽しい街に‼
ほし かずゆき
星 和行さん
2代目頭鶏として、出展時はもちろん、出前授業なども精力的にこなす傍ら、なじょったべ隊の独立後も、青年ふれあい塾では後進の若者たちをサポート。
A.B-1グランプリを一関で
出展の打ち合わせは仕事帰りの夜。玉ねぎカット等、食材の下準備は地域の他団体に委託するなど連携体制もできています。
「地域学習」の講師として、まちおこしの考え方を共有。子どもたちも一緒に鉄板でハラミ焼を調理し、実食します。
「地域を売る」ために編み出したのが、かっこう団子方式での提供。来場者を楽しませながら「一関」をPRしました。
B-1グランプリはグルメイベントではなく「地域の展示会」という考え方から「出展」と表記。市内の名所も紹介します。