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理事長 及川功至さん
(idea 平成29年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆理事長:及川功至(かつゆき)さん
◆連絡先:〒021-0901 一関市真柴字宮沢60-35
◆電 話:0191-23-1366
(連絡先・電話とも事務局 石川千恵子さん宛)
3月2日から4日間、一関文化センターで開催された「第17回いわい美術展」は、主催するいわい美術振興協会(以下同会)の創立25周年の記念展でした。
かつては会派や個人がそれぞれ独自に美術活動をするのが主流だったそうですが、そうした状況を変えていく必要があると感じた人達が、個人や団体の枠を超え、横断的に連携することで自主活動の拡大促進と充実を図り、美術の盛んな地域づくりにふさわしい振興事業、人材育成に寄与する目的を掲げ、平成4年に発起人会を発足(設立総会は翌年)。以降25年にわたる活動の中で、水彩画、油彩画、版画など制作手法の違いはもちろん、個人もいれば美術会派に所属している人、中には絵は描かないが見るのが好きという方まで同会には実に多様な人材が集まっているのです。
今回は、25年前の発起人の1人であり、10年間の事務局長経験も持つ及川理事長にお話しを伺いました。
同会では「自分自身の作品を高めていく」「一関地方の美術振興(美術の盛んな地域づくり)」という2つの主目的に向け、各種の取り組みを行っています。
例えば技術向上を図り、実技研修として年数回開催するスケッチ会。その成果は「スケッチ展」として公開されます。また、10号(絵画のサイズで長辺が530㎜のもの)以下の小規模な作品に限定した「いわい美術小品展」、規模の大きな作品も扱う「いわい美術展」をそれぞれ年1回開催。会員以外の市民も出品可能というこうした美術展は、会員・市民双方の描き手の創作意欲向上に繋がっているだけでなく、市民が気軽に美術鑑賞ができる環境づくりにも寄与しており、まさに2つの目的を両立する事業といえます。
また、良い作品や美術館という場との出会いを創出している人気事業「美術館見学」も、及川さんが「東北の美術館はほぼ行った」と語る通り、設立当初から現在まで、通算で40回を数えようとしています。
他にも「一関子ども文化祭」では子どもたちの作品の審査・講評に関わるなど、幼少期からの美術振興にも一役買っています。
「一関地方は美術に関係する優れた人材を輩出しており、彼らの存在に触れることが美術による地域づくりにも繋がる。作品はもちろん、様々な人の考え方や意見が盛り込まれた私たちの会報をぜひ読んでみてほしい」と語る及川さん。画材用チョークを意味する「Conté(コンテ)」と名付けられた会報は年1~2回発行され、一関市博物館などに配架されているそうです。
内容も「美術館・画廊情報」「誌上コレクション」「美術館のある風景」など、毎回工夫を凝らして製作。中でも著名人を含む多士済々な人材からの寄稿は、単に作品や芸術家、美術界の背景といった解説的なものだけでなく、岩手や一関の美術を取り巻く環境や、会員・行政・市民への啓発、提言など美術振興に関する示唆に富んでおり、そこに「美術振興」を団体名に掲げる同会のメッセージが込められていると感じます。
『美術をさかんにするために』と題された25年前の入会案内に次の一節が記されています。『一言でいいますと美術のさかんな地域にしたいとの一念でございます。(中略)美を愛する人は誰でも入会できることを申しそえます。』そして25年後の今日に至るまで、この精神は受け継がれています…
今創立25周年記念となった 第17回いわい美術展