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(idea 平成25年vol.10掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
会長:村上 和子さん
事務所
〒021-0902 岩手県一関市萩荘字高梨東38-11
電話:0191-24-4418
FAX:0191-24-4401
E-mail : ozakicomtec@yahoo.co.jp
団体の会長である村上さんは、平成20年まで屋根ふき職人の育成を目的に活動していた「かやぶき職人をつのる会」を翌年から引き継ぎ、新たに「かやぶき民家を残す会」として団体を発足。職人育成の他、新たにかやぶき民家を残すという目的を加え、地域にあるかやぶき民家の周知・啓蒙活動を行っています。
「地域にあるかやぶき民家を、より多くの人に知ってもらいたい」と話す村上さんは、平成23年から「かやぶき祭り」を開催し、今年も2月15日(金)に開催を予定。初回の祭りでは、職人によるかやふき実演、かやぶき民家の写真展示、市内のかやぶき民家を見てまわるバスツアー等が企画され、祭りに訪れた多くの人がかやぶき民家を知り、体験し、学びを持ち帰りました。特に、かやふき実演は間近で職人の技を観れる貴重な機会とあり、県外からも観光客が訪れましたが、このかやふきの技術を習得するには多くの年数と費用がかかると村上さんは語ります。現在は、月に2回ほど村上家敷地にある東屋にて、応募して集まった地域住民を対象に指導が行われていますが、先生に認められ職人として現場に出ることを許可されるには早くても4年~5年はかかるといいます。現在市内で活躍しているかやふき職人は、藤沢町と千厩町に在住している3名のみ。市内のかやぶき民家を未来に継承し続けるためには職人の力が必要不可欠なため、「一人でも多くの職人を育てたい」と村上さんは話します。
千厩町小梨地域にあり、かやぶき祭りの会場にもなる村上家は、18世紀に建てられ、約築300年にもなります。母屋だけでなく、馬屋、厠、井戸、木小屋、小家まで六棟全てがかやぶき屋根で残されているのは県内でも非常に珍しく、その価値が認められ平成8年に岩手県指定文化財になりました。建築当時から姿形を変えない村上家は、まるで建物周辺だけ時が止まっているかのようです。この村上家には周辺地域の住民を始め、海外からも頻繁に観光客が足を運んでおり、村上さんは「このような観光等を通じ、地域活性化に結び付けていきたい」と抱負を語ります。村上家の他、会員14名のかやぶき民家を団体パンフレットで紹介していますが、ここで紹介しているのはごく一部。「一関市内に多くのかやぶき民家が残っているのは貴重なことであり、大きな誇りを感じます」と村上さんは語ります。
大昔から地域を見守り続け、文化を伝えてきたかやぶき民家。これからも地域の宝として、未来に受け継がれていってほしいです。