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会員のみなさん
(idea 平成31年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会長:いとう 滋 様
◆住所:〒029-0202 一関市川崎町薄衣字陳が森216
◆電話:0191-43-3062
◆顧問・講師:内田 正好 先生
「ゆるやかな 流れひょうへん Eボート」
この川柳は、「北上川」をお題に、川崎中学校の生徒が詠んだ句です。
平成10年に設立された「かわさき川柳同好会」は、川崎公民館が開催していた川柳教室を引き継ぎ、その生徒有志が同好会として立ち上げた会で、現在は15名の会員が月1回の定例会に集まり、互いに腕を磨き合いながら楽しく活動しています。詠む句は真面目なものばかりでなく、日頃のできごとを皮肉交じりに表現したり、思わずクスッと笑ってしまうようなものも多いそう。会員同士で「いいね!」「おもしろいね」と褒め合い笑い合い、楽しむことを大切にしています。
「自分や会員の句が地元新聞や広報に載ると、それを見た方から『読んだよ』『良い句だね』と道端で声をかけられるのが嬉しい」そう微笑むのは、事務局長の菅原孝さんです。新潟県出身で、平成26年から一関市に移り住み、翌年に同会に入りました。「川柳はすぐ頭に浮かぶ時もあれば、一晩かけても閃かない時もある。自分はイマイチだと思っても、ほかの人からは絶賛される時もある」と、川柳の難しさやおもしろさを口にします。
最近の大きな活動として、設立20周年を記念した句集「思い出の五七五」の発行と、町内全戸を対象にした「川柳投句募集」があります。
句集「思い出の五七五」には過去20年分の作品、計3,686句を2冊に分けて収録。制作は菅原さんが過去の句全てをパソコンに打ち込むことから始めたそうで、「制作に時間がかかった分、完成した時の達成感は人一倍でした」と振り返ります。句集は川崎図書館に寄贈され、どなたでも読むことができます。
「川柳投句募集」は、①自由詠(お題を設けない句)と②題詠「北上川」の2部門を設け、町内全戸に川柳を募集した取り組みで、故郷の素晴らしさや日常生活の温もりを再認識してもらおうと企画。記事冒頭でご紹介した一句は応募作品のひとつです。同会では、大人だけでなく子ども達にも川柳に親しんでもらいたいと川崎小学校と川崎中学校にも募集を依頼すると、中学校の校長先生から「生徒に川柳の授業をしてほしい」と逆にお願いされ、「すごいお話をいただいた!」と驚きながらも依頼を承諾。授業では川柳の基礎やコツを伝え、その場で川柳づくりにも挑戦しました。
全体では148人の方から261句の投句があり、そのうち30句が入賞。最初は「川柳なんて難しくてできない」と躊躇っていた方も、菅原さんに背中を押され投句したところ見事入賞を果たしたという嬉しいエピソードも。表彰式は川崎市民センターで行われ、投句した全員に「応募投句作品集」の冊子とボールペンを贈呈。「今回の事業を通して、少しでも地域の方たちが生き生きしてくれたのなら嬉しいし、これを機に将来作家や小説家を目指す子がでてくれれば」と期待します。
川柳を通して笑顔になり、家庭内や地域での会話のきっかけにもなればと取り組んだ今回の事業。今後も「楽しく」をモットーに、読む人の心も笑顔にする川柳を楽しみにしています。
定例会では会員同士で作品を批評し合いながら添削しています。