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第15回演奏会(2015年10月)の様子
(idea 平成28年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
月曜日の夜になると萩荘市民センターから聴こえてくる美しい管弦楽曲の音色。一関市内外から管楽器・弦楽器奏者が集まり、毎週切磋琢磨しながら腕を磨き、一関市にオーケストラの輪を広めようと活動する「一関市民オーケストラ」さんをご存じでしょうか?
楽団は1993年に一関のヴァイオリン教室に通う生徒で結成した「ハウス・ムジーク」という楽団が元団体で、その後管楽器も加わり2000年に「一関室内管弦楽団」に改名、その翌年に現在の団体名になりました。当時宮城教育大学教授だった渡部勝彦さんを音楽監督兼常任指揮者に迎え、現在は20代から80代までの約30名の団員で活動を展開しています。今回は、楽団の結成当時から活動に携わっている事務局・総務の北村亮子さんと、事務局長の佐々木真澄さんに活動についてお話を伺いました。
同団体は、市民音楽祭や芸能祭などの地域行事への参加、学校や市民センターでのコンサート開催など地域に根差した活動を行っています。また、市内病院でのコンサートは2003年に初開催以降も不定期に行い、2015年には老人介護施設でもアンサンブル(少人数での演奏)を実施。好評を得て、今年12月にも演奏会の依頼が入っているそうです。
このほか、日頃の練習の集大成として、毎年秋に開催している演奏会があります。今年は11月27日(日)に第16回目となる演奏会を予定しており、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 皇帝」とラフマニノフの「交響曲第2番ホ短調 作品27」の2曲を演奏。2つ目の曲は県内の他の楽団が挑戦するも途中で断念するほど難易度が高く、団員の皆さんは一年前から猛練習を重ねてきました。
「15年前に行った第1回演奏会の時は技術的に未熟でしたが、今では規模が大きい曲を手掛けられるようになるまでに成長しました。団員の実力は少しずつ、確実に上がっています」と佐々木さん。何度舞台に出ても本番は緊張するそうですが、皆で心を一つにし、楽曲を奏でられるのがオーケストラの醍醐味。佐々木さんは「演奏を聴いて一人でも多くの市民がオーケストラの楽しさを感じてくれれば」と演奏にかける想いを語ります。
オーケストラをするにはたくさんの楽器と奏者が必要なため、団員だけでは足りないことがしばしばあり、その都度ほかの楽団から賛助として奏者をお呼びしています。「一関には弦楽器の先生がいないため特に弦楽器奏者が少ないです。私たちの演奏を聴いて、演奏に興味を持つ方が少しずつでも増えれば」と北村さん。佐々木さんは今後の抱負として「今後は病院や介護施設だけでなく地域での小さな演奏会を増やし、少しずつ一関市民オーケストラの名前を広めていきたい」と意気込みを語っていただきました。
10月10日に東山で行われた全体練習の様子です
渡部さん指揮の下、真剣な表情で演奏に臨んでいます