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一関手話サークルひろばの皆さん
(idea 平成28年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会 長:佐藤 陽子(ようこ)さん
◆連絡先: 〒021-0901 一関市真柴字中田185-82
◆電 話:0191-26-5379
※連絡先・電話ともに事務局長千葉由紀子さん宛
◆活動日:毎週火曜日19:00~21:00(一関総合福祉センター4F和室・見学歓迎)
ここ数年で「手話は言語」という認識も徐々に広がってきていますが、かつて手話が、ろう者(耳の聞こえない人)の口話(こうわ)教育の妨げになるという理由で、ろう学校でも使用が禁止されていたことがあったことをご存知でしょうか。
聴覚障がい者とうまく意思疎通できなかった経験から、小野寺博人さん(初代会長)ら有志が「一関手話サークルひろば(以下ひろば)」を設立した昭和48年も口話教育が主流の時代。平成10年頃まではろう学校の学習指導要領に手話が含まれていなかったことに驚かされるように、手話に対する社会的な考え方は時代の中で変遷を経ながら今に至っているのです。今回は小野寺奈美子元会長、久保田美恵子副会長、千葉由紀子事務局長からひろばと手話のお話を伺いました。
ひろばでは手話の普及、健聴者(聞こえる人)と聴覚障がい者の相互理解・交流を深めることを目的に、健聴者とろう者が一緒に活動しています。その光景は毎週火曜日の定例手話講習会でも見ることができますが、健聴者だけの手話サークルもあるので、ろう者と一緒に学べるひろばは恵まれているのだそうです。
また、会員の親睦と交流を深めるために行っているお花見会やクリスマス会も、一関市内の手話4団体合同で行っており、ひろばの親睦はもちろんのこと、手話に関わる仲間として団体の枠を超えて一緒に行事や会議を行っているのもひろばの特徴です。
「耳の日大会」「東北ろうあ者大会」などの、岩手県や東北単位のイベントへの参加機会もありますが、根底にあるのは「地域に根差した活動を」という想い。「簡単な手話を覚えるのと一緒に、『見えない障がい』と呼ばれ誤解されやすい聴覚障がい者について、地域の方達にまずは少しでも知って理解してもらえたら」と地元の婦人会や企業などで手話講習会を実施。「看護師さんや施設の職員さんなど、手話に関心があるけれど忙しくてひろばへ来られない方達にも出前講座ができたら」と次の目標も見据えています。
いわて国体に向けた手話ボランティアの養成や、『手話言語法(手話の認知をより確かなものにし、手話言語に関する権利をより実効性を持って保障していくことを目指す)』の意見書を平成26年に一関市も採択するなど、手話は私達にとってより身近な存在になりつつありますが、会員拡大はひろばの課題の一つです。
現在ひろばには初級者から手話通訳士まで20代~60代の約30名が在籍。きっかけも目標も技術レベルも様々で、手話の難しさを感じることもあるそうです。
それでも、「言葉を話せない赤ちゃんともおんぶやだっこでコミュニケーションする。手話はあくまで繋がるための一つの手段なので、難しいから無理と思わず、わかり合いたいという気持ちを大事にしてほしい」、「一番必要なのはコミュニケーション。言葉でも手話でも筆談でもいい。健聴者もろう者も、みんなが通じ合えることが大切だと思います」と話す皆さん。
手話の技術を学びながら「人と通じ合える喜び」が満ち溢れ、寒い季節でも静けさの中に手話を通してほっこり温かい気持ちに包まれる。そんなひろばの空間で、この冬、手話を体験してみませんか?