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会長 岩渕 和子さん
(idea 平成28年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会 長:岩渕 和子さん
◆連絡先: 〒029-1202
一関市室根町矢越字七日市53-2
◆電 話:0191-64-3243
「婦人会の衰退=世の中が良くなったということじゃないかしら」
そう冷静に現状を見つめるのは室根町婦人協議会会長の岩渕和子さん。各地で婦人会活動の存続に関する議論が聞こえてきますが、室根でも婦人協議会は縮小の一途を辿っています。かつては自治会ごとに婦人部が設置され、その上に地区ごとの婦人会、さらにその上部が室根町婦人協議会だったのですが、下部組織はほぼ全てが解散し、現在は個人会員と、唯一残っている屋中自治会婦人部との合計34名での活動です。
「地域の中で女性の権利や立場、発言の機会が広まってきたから、婦人会の意味合いは薄くなってきたんじゃないかしら。でも婦人会が受け皿になっているものがたくさんあるから、単純になくすわけにもいかないのよね」奉仕活動やボランティア活動のほか、地域の女性代表として様々な会議の構成団体とされる婦人協議会。いわゆる‘充て職’にも「忙しいけど、世間を知るきっかけになり、楽しいし勉強になる」と、和子さんは積極的な姿勢を見せます。
室根町婦人協議会の主な活動に、孝養ハイツ(特養)周辺の草取りや、地域の子どもたちの見守り活動として、月1回のあいさつ運動があげられます。あいさつ運動では室根東小、西小、室根中学校の3校を順番に回り、民生児童委員とともに子どもたちの登校時に声を掛け合います。孝養ハイツの草取りには会員ではない若い女性も参加してくれるのだとか。
「孝養ハイツは室根にとって貴重なもの。いずれ自分や自分の家族がお世話になると考え、みんなで守っていくことが大事」と、活動の意義を笑顔で語ります。
また、毎年開催している講習会では、当いちのせき市民活動センターのセンター長から「話し合いのルール」を学んだことも。「和気あいあいと話ができる場をつくることも婦人会の目的の1つ。その際に話し合いのルールは重要。話し合いのルールは家庭にも通用するし、大好評だったの」実際に総会の時にルールを適用させたり、会の雰囲気づくりにも力を入れているそうです。
室根の中には各行政区ごとに設置された「女性学級」や保健婦もありますが、自主的な組織としての婦人協議会にしかできない役割があるのではないかと和子さんは考えています。「災害時など、女性にしか気づけない、分からない役割があって、婦人協議会はそうした気づきを発信したり、解決したりする役割を担っていくべきじゃないかしら」と、婦人協議会の今後の役割として社会的な活動も視野に入れます。
さらに「婦人会は女性が勉強する機会を提供する場」として、和子さんが参加した会議の様子などは、役員会の席や、行事の挨拶などを通して、会員にもしっかり共有。婦人協議会の活動を「自分たちで自分たちが暮らしやすい世の中にしていくための活動」とし、組織の存続にこだわるのではなく、地域の中で女性の立場、権利が守られ、より広げていくために、積極的に地域活動との関わりを持とうとしている姿勢に、婦人会の今後のあり方のヒントをいただいた気がします。