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(idea 平成25年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
実行委員長(平成25年度):岩渕松雄 さん
住所:〒029-0301 一関市東山町田河津字石ノ森158番地
電話:0191-47-2857
東山町田河津地区で、毎年旧暦の9月12日に開催される「山神社奉納演芸会」は、地域の守り神である山神社に、地域住民が演芸を奉納する伝統行事です。
この会を開催するため、毎年田河津地区の8名の自治会長や行政区長等が1年ずつ持ち回りで実行委員長を引き受け、今年は高金自治会長の岩渕松雄さんが担当。自治会長を務め今年で7年目になりますが、山神社奉納演芸会には以前から事務局や機械類の担当として携わってきました。
地域住民からは「村社」と呼ばれ、大昔から地域を見守ってきた山神社ですが、演芸を奉納する形になったのは約35年前。以前は外から業者を呼び、子ども達が神楽を披露する等の形で奉納を行っていましたが、途中から「地域の住民の力で、できることをやってみよう」と、地域住民総参加の素人演芸会を開催。すると、お金も掛からず大いに盛り上がり、地域からの評判も大変良かったことから現在の形に変わりました。
山神社奉納演芸会が地域の伝統行事と言われる理由の1つは、開催準備から終了までが住民の手で行われるという点です。田河津地区の8名の自治会長が1年交代で実行委員長を務め、実行委員も自治会内の役員や団体で組織。自治会で用意できない音響や機械類は、竹沢地区にある実年会、東風企画という部落グループが協力してくれています。
本番は、毎年28~32個の演芸がステージで披露されますが、出演するのは自治会内の住民の他、賛助・応援出演ということで、田河津に縁のある市民の方や遠方(静岡県、北海道)から参加。年齢は5歳~80歳代と幅広く、今年は総勢131名が演目を披露。開催案内が行き渡らなくとも、縁故縁者で東山町内外からも観客が大勢集まります。普段係りが少ない住民でも演目を見て名前や家を知り、お互いに交流のきっかけになることもあるそうです。
住民が創作した踊りや歌を見て、酔った観客が野次を飛ばすこともありますが、それもお祭りの醍醐味。子どもも高齢者も、同じ場所で同じ楽しみを共有するのは地域において大切なことだと感じます。
田河津では、家族や親しい方が演目に出ると、御花(ご祝儀)をあげる習慣があり、市民は千円~三千円を任意で渡します。戴いた沢山の御花は、自治会で使う備品代等に充てられます。演芸を披露した住民の反省会では、再演や次回開催も話題になります。一部は社会福祉協議会東山支所へ復興支援として寄付されます。毎年、演芸を披露する方も見る方も楽しみにしている行事であり、「『あそこの地区のお祭りは面白い!』と期待している方の想いにできるだけ応えたい」と岩渕さん。
「開催に関わる地域の方々に深く感謝します。1つの地域が同じ目的に向かい気持ちをひとつにして取り組むのは大変よいことですし、これからも継続したい」と語る岩渕さんからは、地域を想い守りたいという強い意志を感じました。