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(idea 平成26年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
会長:三浦 初雄 さん
連絡先:〒029-3404 一関市藤沢町徳田字金山49
電話:0191—63-2565
藤沢町中心部の東側に位置し、穏やかな農村風景が多い徳田地区。この地域の鎮守として古くから崇拝され続けている八幡神社に毎年しめ縄を納め、制作の場を通じて会員同士や住民との親睦を深めている「徳田八幡神社しめ縄会」の活動をご紹介します。
今回お話を伺ったのは、団体の会長を務める三浦さん。団体立ち上げの立案者で、昭和62年の発足以来27年間会長を務めるしめ縄作りのベテランです。現在の会員は、徳田地区の男性を中心に24名の方々で構成。当初の団体の目的は八幡神社へしめ縄を奉納することでしたが、活動が口コミで広がるにつれ個人からの注文が増え、今では毎年約30本のしめ縄を作るようになりました。毎年、八幡神社のほか地域内のお寺や施設、個人の方に大小様々なしめ縄をお届けしています。
しめ縄作りは毎年12月1日から年末にかけ、八幡神社内で行います。会員の多くは現職者なので、活動時間はいつも夜。仕事を終え、夕食を済ませた順に集まり、21時を目途にしめ縄作りにいそしみます。「奉納用のしめ縄を作るのに6~7人が必要だから、皆で協力しなければ出来ない作業です」と三浦さん。一年に一度(一か月)しか教えられないため、毎日練習を重ねても覚えるのに2年かかるとのこと。
完成したしめ縄は大晦日に奉納式を行い、併せて境内の清掃や飾り付けをし、新年を迎えます。元朝参りに訪れる方には、お札やお酒を準備するほか、会費を元手に餅やみかん、甘酒やビール、お神酒を振る舞う等の活動も行います。
しめ縄に使われる藁は、地域の方から田を借り、田植えから脱穀まで会員が行います。「太いしめ縄を作るためには長い藁が必要」と、18年前からは一般的な米から香り米(古代米)に変更。香り米の藁の丈は、長い物で1.3mもあるため、「雨風を受けるとすぐに倒れるので管理に苦労した。倒れた時は、会員が出勤前(朝方)に集まり作業したこともある」と三浦さん。昔は米を備蓄し、古くなった米でも風味を楽しめるようにと香り米を混ぜて炊く家が多かったそうです。
EМ(有用微生物群)菌発酵肥料を使い、低農薬で栽培された米は、「かおり米」として市内の直売所で販売しているほか、平成15年に商工会議所の事業を活用して開発した香り米酒「はぎのかおり」の原料に使用。はぎのかおりは香ばしい豊かな香りが特徴で女性にもオススメ。「良い米ができれば、良い藁ができると思います。より品質の高い米を沢山収穫し、皆さんに奉納できるようにしたい」と語ります。
毎回の活動後は、お酒を酌み交わし雑談するのが決まりごと。会社勤めで近所の方々が集まり話す機会が減っている今、団体活動での懇親会を楽しみにしている会員も多く、思い出のアルバムには会員の皆さんが笑顔で活動・交流している写真が沢山収められていました。