※お願い※
記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。
無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。
プロのピアニスト(前列中央)とコンサート協力メンバーとの集合写真
(idea 2022年7月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
平成28年、東山地域の「ピアノの先生」で結成(現在は代表含め3人)。音楽コンサートの企画、外部アーティストの誘致、会場運営を主軸にしながら、地元文化祭等では会員によるピアノ演奏も行う。
〒029-0301 一関市東山町田河津字夏山174 (代表:佐藤)
TEL:090-8786-9653(同上)
「本物の音楽を地元・東山で聴けたら……」プロの演奏やコンサートを聴くためには、市外に行かなければならず、どんなに近くても旧一関エリアの会場……。
そうした現状に「自分の住む地域でコンサートを開けたら、もっと音楽に興味を持つ人が増えるはず。子どもたちも音楽を通した『夢』を持つかもしれない」という想いを強く抱いたのは、東山町内でピアノ教室を営み、日々子どもたちに音楽の魅力を伝えている3人のピアノ教師でした。
音楽を通して約30年前に出会っていた3人ですが、平成25年に東山公民館(現東山市民センター)が開催したピアノコンサートの実行委員を皮切りに、同館主催のコンサート等に関わるようになります。
複数の実行委員を経験する中で「自分たちの力でアーティストを呼びたい」との想いが芽生えた3人。団体結成を決意すると、同館事業のみならず、東山町内の各種イベントに参画し、企画・運営スキルを磨きました。
会を設立した矢先の平成28年、同会の噂を聞きつけた宮城県のイベント会社から「アメリカ陸軍軍楽隊による『ビッグバンドジャズコンサート』を開催しないか」という思いがけない誘いが!
この誘いを受けると、地元中学校吹奏楽部とのコラボ演奏をイベント会社に打診。プロの演奏が聴けるだけでなく、地域の子どもたちがプロ奏者と同じ空間に立つという貴重な機会を実現させました。
その後もイベント会社や「東山芸術文化協会」等と協力し、共催形式でコンサートを誘致・開催していきますが、佐藤さんたちは、「主催事業として誘致を実現できないか」と考えるように。そんな折、気仙沼市で開かれた復興支援関連のコンサートで世界的ピアニスト・中村天平さんの演奏に出会います。その演奏に感動した佐藤さんは、中村さんの全国ツアーの中に当市での演奏も盛り込んでもらえないか、直接オファーしたのです。
平成29年、そのオファーが実を結び、中村さんを迎えての同会初主催コンサートが開かれます。観客はプロピアニストの生演奏はもちろん、自身の全国ツアーのエピソードや音楽の道を志した経験談にも聴き入り、子どもたちも「将来はピアニストになりたい」と語りだすなど、当初から描いていた想いの通り、子どもたちに「夢」を与えるきっかけを創り出したのです。
主催事業はもちろん、幅広い世代へ音楽の魅力を広げるため、地域内の他団体と連携し、親子向けから中高年層向けまで、様々なコンサート開催に協力するなど、経験と実績を積み上げていった同会。アーティストの公演誘致やチケット販売だけでなく、会場設営や楽屋管理なども大事な仕事です。
佐藤さんは「公演の事前準備から、当日~本番~終演~片付けまで、その全てのストーリーが私たちにとってかけがえのない経験であり、思い出です」と微笑みます。
市内の高齢者福祉施設等への慰問公演を企画することもあり、お年寄りの方にとって馴染み深い曲目を事前にリサーチしておくなど、観客に喜んでもらうためのひと手間は、過去の実績の賜物。時には同会メンバー自らが、地元のイベントでピアノ演奏を行うこともあります。
佐藤さんは、「音楽とは、心を豊かにするもの。明日の活力になるビタミン剤だったり、疲れた心を癒すオアシスだったり、何気ない日常に日々欠かせないもの。だから、少しでも音楽が身近なものになるよう、音楽から花咲く笑顔の種まきをしているのです」と、音楽の持つ力を語ります。また、「まちの中で自然と音楽に触れられる、そんな環境を実現するために『ストリートピアノ』をみんなが集うところに置きたいですね。人々がふれあう機会が少ないご時世ですから、子どもたちがふれあえるコンサートなども企画したいですね」と、今後の目標を掲げます。
現在はメンバーが3人なので、公演の際には知人の協力を得ながら会場運営を行ったり、イベント会社や町内の団体、各種補助金を頼りにせざるを得ない状況もありますが、「今後はピアノ教室の先生に限らず、私たちの活動に協力していただける方を募りたいです」と、活動の輪を広げ、「本物の音楽」を地元に届ける役目を担い続けます。
さとう みえ
佐藤 美枝さん
幼少期から音楽への興味が強く、4歳からピアノを習い始めると、嫌なことがあってもピアノを演奏すると気が紛れるというほど、ピアノがなくてはならないものになっています。
A.心のオアシス
おいかわ みどり
及川 美登里さん
代表の佐藤さんと同じく、小さいころから音楽に慣れ親しみ、ピアノ教室の先生に。佐藤さんと一緒に企画・運営に携わりながら同会の会計も担当しています。
A.心の豊かさ
平成29年に東山町の「かぢや旅館」で開かれた「うれし市」でのひとこま。ミニコンサートやBGM演奏で参加しました。
同会初事業のアメリカ陸軍軍楽隊によるジャズコンサート。軍楽隊から同会へ送られた感謝状は同会の宝物です。
平成29年の「うれし市」参加の際、イラストレーターの戸田さちえさんが描いてくれたブース看板。大切に保存しています。
各々のピアノ教室では、「良い所を褒める」を大切に、子どもたちが音楽に親しみを持てるように丁寧に指導しています。