※お願い※
記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。
無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。
(idea 平成27年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会長:佐藤 四郎 さん
◆連絡先:〒029-3405 一関市藤沢町藤沢12
◆電話:0191—63-3383
藤沢の町で、地域の防火・防犯活動を続けて120年以上になる火盗難防止会。会の活動や防火に対する思いについて、会長の佐藤四郎さんにお話を伺いました。
会発足のきっかけとなったのは、明治15年、明治21年の旧暦1月12日に藤沢町藤沢地区の仲町で大火災が続いた「明治の大火」。火事の被害だけでなく、火事に乗じた盗難被害も起きたことから、地域住民の防火と防犯に対する意識が強まり、地域を守る自警団として組織されました。
発足当初は、竹駒神社(赤坂神社)の鐘楼付近に回番小屋を設置し、毎晩会員が交代で夜を徹して回番を行いました。近年は少子高齢化や生活形態の変化から、昔のやり方では負担が大きいということで、毎週火曜日に交代で隣同士の会員が一緒に夜の9時頃に回番を行っています。隣の家の人と一緒に回番を行うことで、お互いを知る交流の機会ともなっています。
会の発足後、火事は減り、火事場泥棒もいなくなりましたが、いつ火災が起きても自分たちで対処できるように地域の消火栓等の維持管理も行い、春と秋の防火デーには消火器を使って消火訓練を行っています。
会の大きな行事として毎年、大火災が起きた旧暦1月12日に地元消防団や婦人消防協力隊と協力して「火伏祭」を開催しています。「子供の頃から防火思想を持ってほしい」という願いから、子供達が消防車に先導され、火の用心や盗難防止の標語を呼びかけながら町をパレードします。また、昔は同日を「魔の日」として、その日は各家庭でできるだけ火を使わないで生活するという時期もあったそうです。
火伏祭に参加した子供にはこれまで、お菓子をプレゼントしていましたが、災害時の緊急情報伝達手段として一関コミュニティFM専用ラジオが全世帯に配布されてからは、毎年必要な電池交換のために、電池をプレゼントしています。「少子化のため、パレードへ参加する子供が減っていることが悩み」と話す佐藤さん。今年は低年齢の子供でも参加しやすい工夫を役員の皆さんと話し合っているそうです。
子供の頃東京に住んでいた佐藤さんは、東京大空襲を間近で経験し、「あの時の焼け野原を見た記憶から、火災を恐いと思う気持ちは人一倍強い」と話します。
また、地元を離れ仕事をしていた期間が長く、当時は自分の地域についてわからないことも多かったことから、「退職後に会に参加してから、単に防火・防犯意識の向上だけでなく、活動を通して人と人とのふれあいや、そこから生まれる絆を感じている。みんな忙しいが、先輩方から受け継いできたこの活動をなんとか続けていきたい」と続けました。
みんなが地域で安心・安全に暮らせるよう願いを込め、今夜も藤沢の町に拍子木と鐘の音が鳴り響きます。