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畑沢やさい村のみなさん
(idea 平成29年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会 長:伊藤 幸家 さん
◆連 絡 先:〒029-3401 一関市藤沢町増沢畑沢92
◆電 話:0191-63-4962
藤沢地域の北の玄関口であり、かつては農業が盛んで藤沢町内でも有数の葉たばこの生産地だった増沢地区畑沢。現在は、休耕農地も増えてきたことが課題になっていますが、3年前から休耕農地の活用による景観づくりと地域の交流・生きがいづくりに取り組もうと「畑沢やさい村」が活動しています。
今回は、会の代表で団体立ち上げの呼びかけ人でもある伊藤幸家さんと千代子さんご夫婦にこれまでの活動と今後についてお話を伺いました。
「以前から地域としても休耕農地を何とかしたいという思いは強かった」と話す幸家さん。「空いた畑を使い退職した人などが交流できる活動をしたい」と夫婦で話していたところに、行政と住民が協働で行う「いちのせき元気な地域づくり事業」を紹介され、地域に呼びかけ会を発足。視察研修で見た市民農園の取り組みをヒントに自分達も大根畑を通して昔ながらの交流をしてみようと活動をスタートしました。メンバーの中には初めて大根を育てる人もいましたが、事前に勉強してきたりと熱心に活動に参加しています。
1年目は雨が多く種蒔きが遅れたため思うように大根が育ちませんでしたが、地元の新沼保育園と新沼小学校との大根狩り体験を開いたり、福祉施設へ採れた大根を寄付したりしました。
大根狩り体験では、畑で野菜が育つのを初めて見たという子どももいて、失敗して大根が折れたりもしましたが、畑で採れた大根を使い作った豚汁を振舞ったりしながら交流を楽しみました。終了後に、参加した小学生の家族から「孫が『自分で採ってきた大根でみそ汁を作ってパパとママに食べてもらいたい』と言うので一緒に作りました」という報告があり、嬉しかったと千代子さんは当時の様子を笑顔で振り返ります。
2年目は前年の反省を活かして8月中に種を蒔き、袋に詰め放題の大根狩りと各家庭で育てた野菜を販売する軽トラ市を企画。10月に3日間、11月に2日間イベントを開催する予定でしたが、市外や県外からも参加があり、10月の初回で畑の大根がなくなってしまい、会の皆さんも反響の大きさに驚いたそうです。
3年目となる今年も雨が続き、天候には毎年悩まされますが、今年は畑を拡大し白菜も育て始めています。
メンバーも発足当時の8人から14人に増え、地域内からも「うちの荒れてる畑も使って」「軽トラ市に向けてうちでも何かつくってみようかな」という声も出てきたとのこと。「会に入らなくても、自分達の活動をきっかけに生きがいを持ってもらえたらよい。市の事業で行うのは今年度までだが、補助ありきではなく自分達でやりたいと始めたので、来年度以降もみんな仲良くわいわいと地域が明るくなることを目的に続けていきたい」と今後について話す幸家さん。
来年もまた何か野菜を増やしてみようかという話も出ているそうで、これからも畑沢やさい村から交流の輪が広がっていきそうです。