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隊長 岩渕一美さん
(idea 平成27年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆隊長:岩渕 一美さん
◆連絡先:〒021-0901 一関市真柴字鴻ノ巣14
◆電話:0191-21-2633
「ど~んど~んぱ~んぱ~ん♪」歌い手の景気の良い唄声に合わせて千本杵で餅をつき、最後に杵で高々と持ち上げたつきたてのお餅をお客様に振舞う。「どこかで見た事ある!」それもそのはず「祝い餅つき振舞隊」のこのパフォーマンスは今年で実に21年目、1100回を超えようとしているのです(7月現在)。
隊長の岩渕一美さんは民謡を始めて48年。平成4年頃、民謡教室の新年会で民謡を唄いながら餅をつくという余興を行ったところ、「もちりんぴっく(アイディアもち料理コンテスト)」などで知られる一関市もち食普及促進会議から、もち食普及へ力を貸してほしいと声がかかり、一関民謡保存会の仲間数人と共に平成6年6月に祝い餅つき振舞隊結成の運びとなりました。
平成26年に20周年と1000回の節目を迎え、今年は岩手日日文化賞(地域振興部門)も受賞した振舞隊。これまで北は青森から南は沖縄まで日本各地でもち食をPRしてきましたが、今年6月には台湾へ岩手県知事と同行、さらに7月には「2015ミラノ国際博覧会」にも招かれるなど、活動はさらなる広がりを見せています。
20年の間には、餅をつくスペースがなかったり、「唄わずに餅をついて下さい」というリクエストを受けたりした事もあります。風の吹き付けるスキー場のゲレンデで凍えそうになったり、逆に舗装しがけの灼熱のアスファルトの上で汗まみれという大変な経験もありました。
その一方、NHK「ためしてガッテン」への出演や、最高のステージと音響装置が用意された宮崎の会場、ボランティアで被災地を訪問した時にかけられた「次はお金を払うからぜひまたきてけらい」という言葉など、嬉しい思い出もたくさんあります。一度の訪問が二回目の依頼に繋がる事が多いという振舞隊の1100回達成はまさにこうした涙あり笑いありの中での偉業と言えます。
「常に初心に帰って一生懸命やっている姿をお客様や家族に見せる事が大事。餅という食品を扱う以上『あいつら適当にやっているな』と思われる事は許されないし、一生懸命さが伝わるから『また来てほしい』に繋がる」こうした岩渕さんの想いは、振舞隊に共有されているだけでなく、岩渕さん自身の生き方にも表れています。
また、その一方で「振舞隊がこれまでの1100回、一度も事故がなくやってこられたのは決して振舞隊の力だけではなく、主催者・関係者のお力添えやマナーを守って参加してくれるお客様の協力があってこそ」と岩渕さんは関係者やお客様への感謝も口にします。
「来てほしい」という依頼者の気持ちに出来る限り応えたいという振舞隊が、これまで依頼を断ったのは依頼が重なりどうしても調整出来なかった1回だけ。「料金は予算がたくさんある所からは多めに、予算が少ない所からは少なめに頂くことにしているので、まずは気軽に相談してほしい」ざっくばらんなこの言葉からは、20年以上一生懸命を貫いてきた振舞隊と岩渕さんの、自負と心意気が伝わってきます。そんな姿を見て育った娘さんやお孫さんが今では振舞隊に参加する事もあるそうで「頑張れる間は頑張りたい」と話しながらも目を細めます…
「わ~すれられないの~♪」今日もまた祝い餅つき振舞隊がどこかで祝いの席を盛り上げているようです。次は皆さんの地域の番かも知れません。
ミラノ国際博覧会での様子