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会長の前田眞さん
(idea 平成27年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会 長:前田 眞 さん
◆会 員:7名
◆設立日:平成23年9月23日
◆連絡先:〒029-0301 一関市東山町田河津字袴腰1-75
◆電 話:0191-47-2919(季節館)
平泉の東の束稲山の中山間地域に広がる紙生里地域。この場所で、「紙生里とその周辺地域の伝統と環境及び人材を活かした事業により地域を活性化する」ことを目指して活動を行っているのが「紙生里の会」です。
一関市農村地域活性化モデル事業(旧一関市地域活性化モデル支援事業)として、平成23年度より4年間の事業を行っており、5年目となる今年度は一関市からの助成を受けずに自立した事業を行っています。
事業計画を立て始めた平成23年当時、外部から豊富な山菜を採りに来る人は多くても、地域内では個々に収穫して一部原料として出荷している程度で、伝統文化である和紙も産業には至っていませんでした。
そこで「組織的に活動して資源を有効に活かそう」と取り組み始め、和紙の原料の収穫、加工場の整備、和紙商品化などの伝統文化の保全等に向けた活動に加え、山菜の栽培、加工場の整備、山菜加工品の商品化などの生産販売・交流活動、さらに和紙事業や山菜加工品事業の技術を持った将来を担う人材の養成や組織の育成に向けた活動を行い、現在に至ります。
今年度は前年度の活動の継続に加え、東山の紙すきの技術を持った「山谷」の鈴木さんと「紙すき館」の鈴木さんの二人の持つ伝統を継承できるようにと人材育成に力を入れていきます。
平成23年の東日本大震災で、山菜の事業も大きな打撃を受けたと言います。「原発の事故で、出鼻をくじかれた思いでした」と前田さん。そのような逆境にもめげずに、事業を続けてこられた背景には、いったいどのような心掛けがあったのか、伺いました。
団体の活動で大切なことについて、「手近なこと、できる事からやってみるということが大事です」と前田さんは語ります。
「そんなことをしてどうなるんだ!という事を仰る方もよくいらっしゃいますが、やらないでうだうだしていても面白くもなんともありません。やった分だけ身につくんです」という言葉からは、これまでの豊富な経験に基づいた力強い説得力があります。
紙生里の会の事業を立ち上げたり、様々な活動を行う行動力の秘訣について伺うと、「自分の道は自分で歩くしかないんです。そこのレールの上を、自分で歩くしかありません。だから、自分で努力するしかないと思うんです」と、地域と向き合う真摯な答えが返ってきました。
「誰かになにかをやってもらおう、という考え方ではなく、自分で楽しみを見つけて、やりたいことをやっていれば、周りが変化していきます」と話す前田さんの目は、とても活き活きとしており、本当に心から活動を楽しんでやっているのだなということが伝わってきました。
「山菜などの加工と販売で、80歳を過ぎても数十万円を稼いでいる人もいます。健康にもいいし、生きがいにもなりますね」と、理事長を務める東山の産直、季節館との連携について語ります。水のきれいな東山地域ならではの新鮮な季節を感じる山菜を、みなさんも一度食べてみてはいかがでしょうか。
山菜の販売を行う季節館