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「市谷おやじの会」とのスポーツ交流大会での記念写真
(idea 2021年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
平成17年7月発足。花泉町の一関市立金沢小学校で行われている「市谷交流」の実行委員会OBや金沢小学校現役PTAなど約30人で構成。市谷交流事業のサポートのほか、各種交流活動を行っている。
※同会への連絡は金沢市民センターを経由
TEL:0191-82-2954
平成29年に30周年を迎えた「市谷(いちがや)交流」。花泉町の一関市立金沢小学校と東京都の新宿区立市谷小学校との交流事業で、毎年7月下旬に市谷小学校児童が金沢に、3月下旬には金沢小学校児童が市谷を訪れ、ホームステイを含む交流を行っています。
事業の主体は当該学年のPTAで組織する実行委員会ですが、その裏で陰ながら事業を支えているのが「金沢とうちゃんの会」です。
「実行委員会は準備することが多すぎて、辛い部分も大きい。そのためか『市谷交流は大変だよ』と後輩PTAに伝える人も多い。せっかくの良い事業なので、現役PTAの負担を少しでも減らし、良い思い出にしてもらいたくて。次の後輩たちのために立ち上げました」そう語るのは発足時からのメンバーである千葉信秋さんです。
実は千葉さん、同事業に携わる前は市谷交流自体に反対の立場でした。それが、実際に7月の受入れを経験して印象が変わり、さらに翌年3月に引率で同行した市谷で受けた歓迎に感動!「帰りの新幹線の中で『来年は実行委員長をやる』と宣言した」のだとか。
無事に実行委員長として翌年の事業を終え、その反省会の中で同会の発足について思いを共有。平成17年7月、同会が発足しました
同会の発足のきっかけにはもう一つ、「市谷おやじの会」の存在があります。昭和63年に「市谷交流」が始まりますが、当時から金沢地区ではPTA活動には母親よりも父親が主体で参加していました。しかし、関東では母親の参加が主で、父親が関わることはほとんどなかったのだとか。
引率として参加していた市谷の父親たちが、主体となって事業を進めている金沢の父親たちに感化され、「自分たちも父親という立場から何か協力できることはないか」と平成10年頃に「市谷おやじの会」を結成。現役PTAだけでなく、OBになってからも交流を支えるようになります。その姿を見ていたこともあり、「金沢とうちゃんの会」の発足が自然と受入れられたのでした。
双方に父親を主体とする会ができたことで、平成18年からは親世代の交流が始まります。10月に市谷おやじの会が改めて金沢を訪問し「スポーツ交流会」を行うことに!「大人の遠足のような感じだよね。20人くらいでバスをチャーターして。昼間は野球やバスケ、夜は飲み会。仕事の絡みも何もない人たちとの飲み会だから趣味の話とか当時の思い出とか、お互いに純粋に楽しくてね」と、コロナ禍で昨年は開催できなかったこともあり、交流の様子を楽しそうに振り返ります。
また、同会会員間の交流として、近年は花見や飲み会、ゴルフコンペを開催。同地区内で暮らしていても「PTAを卒業した瞬間に交流がピタッと切れる」そうで、同会を通した交流が貴重な機会となっています。
さらに数年前から「とうちゃんの会ジュニア」という括りを同会内に設置。完全なOB世代と、まだ現役PTAの世代とを分けることで、現役世代が活動に参加しやすくなるという狙いです。「引退のない会だから、OBといっても年齢層が大きく開いてきてしまった。発足当時の会員に遠慮して参加しないようじゃ意味がないので、ジュニアはジュニアの中で交流して欲しい」と千葉さんは期待を込めます。
同会の仕事として、市谷交流に係る事業費を賄うための「草刈り作業」があります。同会発足と同時に、当時の金沢財産区に資金協力として財産区内の整備作業(枝打ち、草刈り等)を担わせてもらえるように交渉。以後、現役PTA世代と一緒に、夏場に2回の作業を行い、事業費を賄っています(4年前から宝持院墓地の草刈り作業も受託)。
そんな地域ぐるみでの一大事業である市谷交流ですが、現在大きな岐路に立っています。同会会長で現PTA会長でもある森谷桂樹さんは「昨年度はコロナ禍で中止、今年度も見通しが立たない。そうすると全く市谷交流を経験できない学年ができてしまう。学校統合も迫っており、今後の事業継続について検討を進めなければいけない」と大きな課題に直面しています。
もりやけいじゅ
森谷桂樹さん
1期2年目。東京都出身という縁で、同会には長女が未就学児の頃から参加。現役PTAでありながら、市谷交流を何度も経験する大ベテラン。
A.縁の下の力持ち
ささきけいた
佐々木圭太さん
現役PTAであり、令和元年度の実行委員長だった佐々木さん自身も、小学生の時に市谷交流に参加!親子2代で同事業を経験しています。
A.引退できない大人たち
市谷交流のための財源は地域内の環境整備で賄っています。現役PTAとともに同会会員も汗を流して支えます!
毎年恒例のキャンプファイヤーと花火。近年は市谷おやじの会と同会が対抗形式で花火を行い、大盛り上がりなのだとか。
市谷交流の際は黒子的な存在と言いながらも、「金沢とうちゃんの会」と入った法被着用で少しは存在もアピール(笑)
市谷小学校からの引率保護者の多くが感動するのが、竹を削って手作りしたジョッキ。同会のおもてなしの一つです。