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(idea 平成24年vol.4掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
ワーククハウス雲は、心身に障害のある人達、不登校のため学校生活のできない青年達、社会に適応できないために就労できない人達が、共に活動することにより互いに成長し、意欲を持って生活を楽しむことができるようにするための親睦と社会復帰のプログラムを計画・実行することを目的として活動します。
代表である渡邊さんは、28年間神奈川県で学校の教師として障害児教育に携わった後、学校卒業後も、障害をもった人達が有意義に生活できる居場所をつくってあげたいという思いで、当時、障害者支援施設が少なかった岩手に引っ越し、団体を設立。
現在まで、利用者が手作りした織物やアクリルタワシやエプロンを産直センターで販売した他、しいたけや桑の栽培、月に一度まちの中心地でフリーマーケットを開催し、地域の人との交流も行ってきました。
毎週火曜日と金曜日のお昼は、お弁当配達の日となっており、作業所内で働く栄養士が作った栄養満点のおかずを、利用者が盛り付け、袋入れ、箱詰めした後に、東山町内約60件(30ヶ所)を利用者15人で分担して配達。高齢者の健康に配慮し、おかずは揚げ物を一切使いません。配達先のお宅では、最初はお互いにぎこちない会話でも、徐々に打ち解け世間話をするようにまでなり、「今日はこんなお話ができたよ!」と帰宅してから嬉しそうに話すそうです。こうした地域の人との繋がりが、仕事をする励みにもなっています。
ひききこもりの人には、家族や周りの人達が理解し、その人の話を一生懸命聞いてあげることが必要です。」と渡邉さん。この施設の利用者は皆、辛い経験をしてきた人達です。初めて施設を訪れた人には、最初に相手のありのままを受け入れる「受容」をしてあげること。心が通い合うようになってきたら少しずつこちらの要求を伝えてゆき、ゆっくりと職業訓練も開始。そのために、作業所は常日頃から皆が認め合う雰囲気を作ってあげるよう心掛けています。
代表の渡邊さんは、「ひきこもりの人達は、家で怠けているわけではありません。心に抱えているストレスが重すぎて、世の中に出れなくなっているんです。本当はみんな、社会の人と繋がりたいと思っていることを知ってほしい。」とお話していました。