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(idea 平成28年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆区長:千葉 政弘 さん(4期7年目)
◆中里4区は、80世帯約237人が暮らす街中の民区です。神社や公園等の施設・場所があり、住民
の協力の気持ちと結束力が強いことが自慢です。
一関中里地区の主要道路である、県道134号線を中心に、山ノ目駅と中里市民センターの中間に位置する中里4区(以下「4区」)では、県道沿いに住宅や事業所が立ち並ぶ、車通り・人通りが多い地域です。
取材でお話を伺った区長の千葉政弘さんは、30歳のときに盛岡から中里にUターン、親子二代で勤めた岩手日日新聞社で働きながら、長年に亘り民区活動を支えてきた一人です。
4区の活動拠点は、平成25年に空き家を改築して造った集会所「ぬくもり」です。集会所をもつ前は稲荷神社の社務所を集まりの場にしていましたが、「利用時間の制限なく気軽に利用できる場所がほしい」と空き家を活用した集会所造りを決意。空き家の所有者に相談すると、「住民の皆さんが集まる場になるなら」と家と土地を無償で貸してもらい、住民皆さんの協力により7か月かけて内部を改修、集会所内に置く備品は皆で持ち寄り、皆の期待と盛り上がりムードの中で集会所が完成しました。千葉さんは、「皆で造った皆の集会所です。4区は『自分達の手で』という気持ちが強く、結束力も強い」と笑顔を見せます。
年間の民区行事の中で、他の地域に誇れる行事の一つは4・5民区合同で取り組む寺主催の盆踊り大会です。会場に、出店の設置、踊りや抽選会等の催しを企画するほか、お寺の和尚さんからは「お盆はご先祖様があの世に帰っていく日だから、皆が集まってこそご先祖様は喜ぶんだよ」というお話があり、日本文化や伝統を教わる学びの場にもなっています。
「この盆踊り大会には毎年400人近くの方が参加しますが、和尚さんがお経を唱える中、会場に設けた送り火に向かって参加者が一斉に合掌し先祖を送ることまでしているのは、市内でも珍しいのでは」と千葉さん。行事を楽しむだけではなく、行事を行う理由や意味、先代の方々が積み上げてきた歴史を学び知ることで、自然と次世代への引き継ぎが行なわれています。
このほか、40年以上連続で参加している夏の子ども神輿、高い出席率が自慢の「4区みんなの敬老会」など、住民みんなが楽しめる行事を考え継続している同民区ですが、情報発信に一工夫加えたことで、参加率が大幅にアップした活動があります。それは、中里地区全体で行うスポーツ大会です。
4区では、全13民区の中で6位~7位という成績が続いておりましたが、民区の広報紙に「我々4区が優勝するかも!?」という予想記事を書いたところ、話題にして活気が盛り上がり、今まで出場選手が集まらず不戦敗だった競技にも選手が集まったことで、平成21年に栄えある優勝を勝ち取りました。それからは、優勝記録を守ろうと連年高い順位を維持しています。
「事後報告の広報だけじゃつまらない。ちょっとしたユーモアや皆をおだてることで、興味・関心を刺激し、意識が楽しい方向に変わるんじゃないかな」と秘訣を語る千葉さん。ちょっとした話題づくりやひと声が皆のやる気を促し大きな動きを生む、4区の心温まる取り組みを教わった取材でした。