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(idea 平成25年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
自治会長:照井秀子さん
民生委員:都築(つづき)順子さん
249世帯631人が暮らす千厩地区1-1区。「自治会活動には全戸参加」を目標に奮闘中の自治会長の照井秀子さんと民生委員の都築順子さんにお話を伺いました。
千厩地区1-1区は、県道267号松川千厩線を挟んでまち場と中山間地域が混在するとても広い地域です。
自治会内各班の班長が、一人暮らしや高齢者だけの家を見回り、声がけをする「まごころ交流」は、照井さんが自治会長になった翌年の平成21年から始まった活動です。
まごころ交流を始めたきっかけは、照井さんが自治会長になって間もない頃に起きたお隣の同級生の孤独死。2晩ほど部屋の明かりが点いていないことに気づいていた住民もいましたが、普段あまり交流がなかったのでまさか亡くなっているとは思わず、あまり気にしませんでした。その後、自治会内の市営住宅でも孤独死があったことを受け、自主防災活動の一環としてまごころ交流を始めました。今年で5年目を迎え、班長が1周した班もあり、近所で暮らす高齢者の把握は以前よりも進んでいます。1-1区の民生委員を務める都築さんは平成23年の東日本大震災の時にまごころ交流の効果を強く実感したと語ります。自治会内のお年寄りの安否を確認しに行った時に、班内の若者が既に駆けつけており「ここは自分たちが見ているから大丈夫」と言われ、とても心強いと思うと共に、まごころ交流を続けていてよかったと感じたそうです。
こうした活動を長く続ける秘訣は〝無理をしない・させないこと〟。世帯数が多い班では、班長だけでなく班内で分担し、対応が難しいと感じた人に対しては親しい人に見回りをお願いするなど、班長だけに負担がかからないよう協力し合っています。
自治会内のサロン「ひまわり会」では、小学校の下校時間に通学路の見回り活動も行っています。この活動は、自治会区域内で不審者の声掛け事案が発生したことをきっかけに、千厩地域のボランティアによる見回りにも限界があることを感じ、自治会サロンで当番制での見回りをすることにしたのが始まりです。主に60歳以上の方が活動するサロンですが、必ず2~3人での見回りなので、外に出て会話を楽しむ良い機会にもなっており、「調子の悪い日や天気の悪い日は無理に出なくてもいいんだよ」と話しても、ちょっとやそっとのことでは休まないとのことです。
自治会だよりは学校の先生を退職された方と事務局が協力し、年に約4回発行しています。
地域行事だけでなく、「我が家の防災」のコーナーで自治会内から毎号1軒取り上げ、備えている防災用品や心構えを紹介したり、「事業所等紹介」や「頼りになる人」のコーナーでは地区内で活躍する人達を取り上げたりと、とても充実した内容になっています。また、どれも取材を受けた人の写真も載っており、顔の見える関係づくりに一役買っています。
とても気さくに取材に応じてくださった照井さんと都築さん。お二人は取材中に何度も「若いうちは何でも自分でできるかもしれないが、いつかは人の世話になる。いざという時に頼りになるのは遠くの家族より、近くの他人。だから、普段から近所の人との付き合いを大切にしてほしい」と話していました。
取材後に照井さん宅に近所の方々がお茶を飲みに来て楽しく談笑する姿を見て、日頃の交流や助け合いの精神が育まれている1-1区自治会なら、照井さんの目標である「自治会活動には全戸参加」が実現する日も遠くないのではないかと感じます。