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木六自治会の皆さん
(地区民運動会で優勝した時の記念写真)
(idea 平成29年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:村上敬一さん(1期2年目)
◆千厩町の東部に位置する木六自治会には51世帯約190人が暮らしています。千厩地区では一番小さな自治会ですが、住民みんなでまとまり、地区民運動会などの行事でも活躍しています。
木六自治会は、昭和62年に当時の部落会を中心に各団体を集約する形で発足。千厩のまち寄りに家を建てる人や団地に入る人が増え、発足当初42世帯だった世帯数は51世帯まで増えました。「それでも千厩地区の中では一番規模が小さくて昔は木六という名前を出すのが恥ずかしいという人もいたけれど、いろんな活動を通じて自分達が暮らす地域に自信と誇りを持てるようになってきた」と話すのは自治会長の村上敬一さん。
村上さんは、発足当初から事務局を務め、副会長を経て、昨年度から自治会長になりました。「長年自治会運営に携わっていると、自分で計画した活動に幕を引く辛さを感じることもあるが、たくさん行事を並べても仕方がない」と話す村上さん。地域がまとまる工夫や時代の変化に合わせて変えること、自治会活動を通じた課題解決に向けた取り組みについてお話していただきました。
地区の運動会で優勝などの成績を残している木六自治会。そのまとまりのよさは、普段の活動が支えています。特に力を入れているのは環境保全活動で、管理委託を受けている農村公園や道路の清掃、班ごとに毎月交代で行う自治会館の清掃にはほとんどの世帯が参加し、平成19年には自治会内に24時間利用できる資源回収ステーションを建て、リサイクルしたお金を自治会の活動資金にしています。
参加促進のポイントとして「小まめな宣伝に手を抜かない」と話す村上さん。行事の際にチラシを作って配布する他、清掃活動に集まった際に、行事の伝達をしたり、意見を聞くなど情報交換の場にすることで、人が集まる機会を無駄にせずコミュニケーションを取るようにしています。
また、将来的な地域運営を見据え、同じ行政区内の北の沢自治会や様々な企業と協力し合って新年会などの行事を行い、交流や連携も深めています。
木六自治会では、地域がまとまる新たな活動として、平成27年度から地域内のミニ文化遺産を巡る「健康ふれあいウォーク」に取り組んでいます。自分達が暮らす地域の歴史を見直し、拠り所として整備していこうと企画し、初回から40人が参加しました。自治会内で歴史や文化の研究をしている人や一関市博物館の学芸員にも協力してもらい、木六の歴史を学びながら、由緒ある神社から変わった形の石などユニークなものまで様々な地域資源の探索を楽しんでいます。
「それぞれの由来などがまだ点の段階だが、これから線にしていくことで木六の歴史が浮かび上がり、何を保存すべきか見えてくるはず。地元の宝をみんなで支えて心の拠り所にしてほしい」と話す村上さん。活動の中で作成したマップを地区民祭で展示したところ「うちでもやってみようかな」と他の自治会からも反響があったそうです。
最後に村上さんから「兼業農家をやめる人も出てきて、昔のように農業という1つのテーマで地域がまとまるのは難しくなってきた。少子高齢化で組織を維持するのも難しくなるが、決して悲観せずに次のアイディアを考えたい。小さな集落でも自分が生まれ育った故郷は変えられないので、少しでもよくしていくために、歴史・福祉・環境整備の3本を活動の柱として、お互いに助け合える地域になっていければ」と時代の変化を感じながらもこれからの地域への前向きな言葉をいただきました。
ふれあい健康ウォークの様子