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(idea 平成27年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:本多 且司さん(1期2年目)
◆川内自治会(59世帯165名)は県立大東病院や大東支所、大原市民センターなど地域の主施設が
並ぶ地区です。地区内住民有志で結成した「春日長寿そばの会」は、地域の活動に潤いを与えていま
す。
平成2年に建てられた川内自治会館の窓から「さあどうぞ」と声をかけてくださったのは、1期2年目を迎える同自治会長の本多さんです。自治会館に上がると、たくさんの可愛らしくそれでいてしっかりとした椅子が目につきました。「これはね、地域の方々から使わなくなった家庭用の椅子を譲ってもらって、この低い会議用テーブルの高さに合わせて加工したものだよ」と答え、「年々自治会員も年をとってきてね。『やっぱり椅子が欲しいね』なんて聞こえてきたものだからね。地域には加工が得意な人もいるし。ほら、こうやって椅子の脚を強化しているんだよ」と続けます。
大工仕事の得意な人、写真を撮るのが得意な人、文章を書くのがうまい人など、人にはそれぞれの特技があります。その力を地域で発揮してもらえるよう、そして一人ひとりが地域の主役になってもらえるようにと地域の声を聞きながら役割の分担を行っているのがこの自治会の特徴です。「自治会というのは自治会長だけの組織ではありません。自治会員(住民)がいて成り立つわけです。みんなが無理なく参加しやすい方法を探ることが私の務めだと感じています」と本多さん。
平成24年に自主防災会「災害緊急時見廻隊」を編成した川内自治会。少子高齢化が進む、高齢者独居世帯や空き家の増加など現状課題も含め、「では、いざというときどう対応するか?」というところに視点をあて、自治会各班の協力のもとで、「日中に支援が必要な方・夜間に支援が必要な方・昼夜とも支援が必要な方」を運営委員会が調査し、一覧にまとめ各戸に配布しました。「この一覧はね、家の中の一番見やすいところに貼ってもらうようにしています。なにかあっても、なくてもお互いが支え合い、日頃からのコミュニケーションを大事にしています」と語る本多さん。こういった支え合いの心を大切にしているのは、ある一つの継続された活動の中から「住民自らが考える時期があったから」と振り返ります。
平成23年の東日本大震災。一関市大東町の隣町である陸前高田市は大きな被害を受け、同自治会は震災直後からがれき撤去等のボランティア活動に参加してきました。現在は復興支援という形で年3回(通算13回)のボランティア活動を行っています。また、震災で影響のあった県立大東病院再開後は「地元自治会として何か支援を」と病院側と協議し、医師や医療従事者がよりよい環境の中で業務に従事してもらえるように清水田公舎(院長公舎)を中心とした環境整備を実施しています。「以前は自治会活動というと、どこか出役的・義務的という感が少なからずありましたからね」と振り返り、「現在では家族みんなで参加してくれるところもあるんですよ」と嬉しそうに語ってくれました。
「もう少しで自治会の総会なんですよ。私たちの自治会では、総会後にお花見を兼ねているので他の自治会よりも少し遅めに総会するんです」と語る本多さん。「多くの自治会員が総会に関心を持って参加してもらえるように、総会の資料にはお楽しみ抽選番号をふってあるんです」と続けます。「さぁ、今年もみんなでやろうやぁ」と声をかけながら、たくさんの笑顔が集える自治会を今後も目指しています。