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(idea 平成26年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:菊池紘一さん(2期4年目)
◆渋民第10区自治会の会員は76世帯284人で、地理的には大東町渋民地区の中央に位置しています。
東に室根山、西に束稲山、北は蓬莱山に囲まれ、砂鉄川が緩やかに流れている大東町渋民地区。明治6年に開校された歴史ある渋民小学校が、時代の流れと少子化の影響もあり、平成25年3月、地域の方々に惜しまれながら閉校。同年4月から大東小学校と統合になったことは記憶に新しいところです。その中央部に位置する渋民第10区自治会は、体育部・文化部・生活環境部・納税部・自主防災部(兼自治会運営委員)の5部編制で、会員が出来ることをできる範囲で無理なく続けられるよう、活動・運営しています。
すでに10年以上も続けているという「体力づくり運動会」は、毎年12月に冬場の運動不足解消を目的に体育部が中心となり行われ、住民らは交流を深めています。生活環境部は、お楽しみ敬老会の開催や清掃活動への呼びかけ及び実施を行っており、今年から「いわての川と海岸ボランティア活動等支援制度」を利用し、自治会住民による砂鉄川の清掃にも力を入れました。「この取り組みは、生活環境部長からの提案があって実施しました。自治会の話し合いにこのような提案が上がるのは嬉しいこと。地域環境に目を向け今後も無理なく、他の活動とともに継続していきたい」と菊池さんは活動への意欲を語ってくださいました。
同自治会の活動拠点は平成4年に建てられた中央会館。自治会活動での使用の他、子ども会活動やサロン活動などにも使用しています。また、最近集落の若者から「会館を自分たちも自由に使っていいのだろうか?」と声があがり「いいよ。いいよ。どんどん使って」と答えたとのこと。「実際、この集落には夜若者が集えるような飲食店はありませんからね。自治会館は自治会の建物ですが、自分の住んでいるところに自然に集まれるところがあるというのが大事なんですよ。そこから徐々に自治会活動に参加してもらえればさらに嬉しいですね」と語り、「市内各地から聞こえてきますが、若者の自治会活動への参加は我が自治会でも課題ですね。若者を、どうひっぱり出し参加してもらえるか…やはり飲みニケーション(コミュニケーションの一つとしての飲み会の略)かな?」と笑顔で続けます。
若いころは地元を離れていた菊池さん。平成5年頃から地域イベントに参加しながら少しずつ故郷との距離を縮め、平成10年に帰郷しました。現在は、自治会長歴2期4年目で、渋民地区の振興会会長も務めており、日々地域のために尽力しています。
自治会規約を拝見し、私が大変びっくりしたのは「慶弔規定」。お悔やみの他、結婚・誕生など集落でお祝い事があれば自治会からのご祝儀があります。さらに平成24年に百寿を迎えた会員を祝う為に「百寿の祝い」を新しく設けたとのこと。「集落での結婚、誕生など御祝事は住民にとっても嬉しい事ですね。さらに百歳を迎えるという事は、それまでのご苦労を労うと共に、この地域でご活躍され我々の土台作りをしてくださった感謝です」と菊池さん。この改定後、はじめて百寿のお祝いをした方は現在103歳。そして近々百歳を迎える方は現役で農業を行っているとのこと。自治会の「慶弔規定」には、相当つながりの深い集落なのだなと感じるとともに、長寿の秘訣がなんとなく地域環境から感じる取材でした。