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(idea 平成28年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:新沼一郎さん(3期6年目)
◆68世帯262名が暮らす農村地域で、自治会は、総務部・生活環境部・体育部・産業部・女性部・
福祉部で構成しています。
室根第15区自治会(以下「15区」)は、主要道路である県道本吉・室根線が南北に走り、矢越駅から南に約5kmに位置し、緑に囲まれ大川の支流、澄川が流れる自然豊かな農山村地域です。この釘子地区で生まれ育ち、八代目の自治会長である新沼一郎さんと、事務局の田村純一さんにお話を伺いました。
15区の活動拠点は、地区内に建つ国際医療福祉専門学校一関校の側にある「第15地区会館」です。旧室根村では、村内に三つあった公民館を一つに統合し、地域づくりの拠点として各種補助事業等により、村が行政区ごとに地区会館を整備してきました。第15地区会館は、釘子地区のほぼ中央に位置し、釘子地区の拠点施設としての役割も担っております。
現在の地区会館は、昭和62年2月に改築されました。改築にあたり施設の備品は、納税貯蓄組合より200万円の寄付を賜り購入したものです。広く大きな会館は、自治会や各種団体の活動で大切に使用されています。
室根第15区自治会の発足は昭和56年11月。当時村が自治会の結成を進めており、「どうせ結成するなら矢越地区で一番早く自治会をつくろう」と、当時の行政区長で初代会長になった小山武三さんを中心に結成。地区民が“みんなで集まり何かしよう”という考えで企画した芋煮会には、多いときは180人が集まったこともあり、そのレクとして班対抗の運動会や新婚カップルの紹介を行ったこともあり、大いに親睦を深めてきました。
年間行事の中で一番人の集まるのは、お盆に開催する夏祭りです。帰省した人と地元の人が交流でき、7つの班が各々出店を出して祭りを盛り上げます。「日頃顔を合わせられない人にも会えるので、行事としては最高ではないでしょうか」と笑顔をみせる新沼さん。
1月に開催する新年会は、地区会館で年祝いの方を招待し併せて開催。「地区会館で開催する手作りの新年会は、会費も抑えられ気軽に参加できます」と田村さんは語り、「会費は一人単位ではなく、一世帯単位で何人でも参加できるようにしています」と、参加率を上げる工夫も教えてくださいました。
葉たばこ生産が盛んであった当地域は、昭和45年度から始めた田と畑の基盤整備事業の実施により生産規模を拡大させた歴史があります。平成元年には、県から農業体質強化拠点試験地の指定を受け、栽培技術を普及・定着させることを狙いとした3期9年間の事業を実施。葉たばこの生産と併せ野菜、花きの生産販売により農家所得の向上を図りました。
「事業で成果を出せたのは、指導する方の力や先に立つ地域のリーダーにも恵まれていた、仕掛人(県や村の職員)・引受人(地域住民)の連携がうまくできたから」と新沼さんは話します。
毎年農家組合と共催で開催する農産物品評会には、130点余りの出品があり年々盛会な品評会となっています。また、この出品物をさらに室根産業文化祭に出品しています。
長きに亘り地域を支えてきたお二人のお話からは、室根の今をつくりあげてきた歴史を深く教わる取材となりました。