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(idea 平成26年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
自治会長:熊谷福男 さん(1期1年目)
60世帯約210人が暮らす田茂木地区。毎年賞をもらうという地区自慢の花壇が迎えてくれます。ほぼ全戸が加入する自治会活動は若い世代も活躍しています。
室根山の南麓に位置する田茂木自治会は、昭和57年に設立。今年4月に自治会長に就任した熊谷さんは第7代目の自治会長です。田茂木自治会は、総務部・環境部・衛生部・文化体育部・女性部の5つの部編成をとっており、各部に部長・副部長はじめ数人の役員がいますが、60代の役員は少なく、40~50代の層が中心になっているそうです。「役員になると皆戸惑いますが、そういう時には『同じ2年の任期なら、楽しんでやろうじゃないか』という話をする。そうするとたいてい一生懸命にやってくれる」。そうした考え方が浸透しており、地区対抗の野球大会などでは40代が活躍、常に良い成績をあげているそう。「今年も『会長さんの就任祝いに優勝してくる』と本当に優勝してきてくれた」と、若者の活躍を嬉しそうに見守ります。
そんな田茂木地区は、先祖代々室根大祭において「お仮宮」建ての役目を受け継いできました。お仮宮建てには事前の準備も多く、実際に建てていく際には高所での作業があり、若い人たちの役目も多々。地区民約50人での作業は、自然な協力体制で作業が進むと言います。
そうした地域力の高さは地区内の清掃活動にも発揮されています。4か所もある河川公園の清掃作業の参加率は90%以上。「5時半の集合時間なのに、5時にはみんな集まっている。普通とは反対の時間厳守を呼びかけなきゃいけないな」。笑い話の中に地区への誇りを感じます。
田茂木自治会では昭和57年の設立時から文化祭を開催してきました。班を基本にした演芸の披露や、生け花や陶芸、手芸など、自治会員の自慢の一品を展示してきましたが、昭和63年からは農家組合と協力し、「どでかぼちゃ大会」を加えた収穫文化祭、その名も「おもっしぇあづまり」へと発展させました。
「どでかぼちゃ大会」では、各戸で育てたかぼちゃの大きさを競います。苗は全戸に配布し、大会には約40個のかぼちゃが並びます。100㎏を超すものも多くあるとか。その他、縄ない競争や梅干しの種飛ばし競争、りんごの皮むき競争など、地区内の様々な年代層が参加できるゲーム等も盛り込み、地区の一大イベントになっています。
また、去年からは地区の高齢層にも参加してもらえるようにと、敬老会と同日に開催するようにしたところ、ほとんどの人が敬老会終了後に「おもっしぇあづまり」へ参加。今後も地区住民の交流の場としてさらなる盛り上がりをみせそうです。
そうした小さな改善は若い世代からの声に基づくものも多いそう。2年前から始めたという年祝いを兼ねた新年会もその1つ。これまでの新年会は有志だけの集まりだったため、全戸に声をかけるようにしたそうです。これまでのところ、決して多くの住民が集まるわけではないそうですが、「全戸に声をかけることに意味があると思う」と熊谷さん。この小さな積み重ねが田茂木自治会の地域力の高さに結びついているのでしょう。