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自治会長・千葉孝則さんと制作途中の人形
(idea 平成30年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:千葉孝則さん(1期2年目)
◆天神下・聖沢・篠原の3つの小字からなる西の沢自治会は74世帯、人口約220人が暮らす中山間地域です。「農事組合法人西の沢」も組織され、トウモロコシの栽培にも力を入れています。
「楽しくやっています」笑顔で活動の様子を教えてくれたのは、取材に訪れた自治会館で室根大祭に向けた花づくりにいそしんでいる婦人部のお母さま方。各戸から婦人部会員1名を出してもらうようにしており、役員も1年交代と定めているという西の沢自治会の婦人部は、参加率も高く、総会には委任状も含め48名が参加!家族内での世代交代もうまく行えている家も多く、40代のメンバーもいるのだとか。
今回は「婦人部さんが自治会活動の要では?」との問いかけに「その通りです」と深く頷く自治会長の千葉孝則さんはじめ、前自治会長さん、婦人部のみなさん、その他室根大祭の準備に来ていた地域のみなさんに活動の様子を聞かせていただきました。
同自治会の一大イベントはお盆に帰省者も交えて開催する夏祭り。青年部が焼き鳥やジュースなどの屋台を出すほか、カラオケやビンゴ、花火を楽しみます。室根町の夏祭りにも盆踊りで参加するため、西の沢の夏は大忙しです。
花いっぱい運動にも参加していますが、一般の部に加え、沿道の部として2㎞を超える「あじさいロード」の整備を約15年も続けています。
これらの活動の様子は年4回の自治会報で全戸に報告。自治会報はA3サイズにし、文字を大きくすることで年配の人にも読みやすいように工夫しています。
そんな西の沢自治会が2年前から検討し、集落内に新たに発足させたのが「山車の会『西沢組!!』」。今年開催される室根神社大祭の祭典行列「袰(ほろ)祭り(まつり)」に出す山車を制作するための会です。袰祭りの山車は、室根の折壁地域から6組参列し、西の沢もその1つ。これまでは外部の職人に山車の制作を依頼していましたが、職人の高齢化により、今回からは各自で山車の制作を行うことになったのだとか。
山車の制作にあたっては、「西沢組!!」から「花づくり」を自治会婦人部に依頼。1月から婦人部の有志たちが週に2~3回のペースで作業を行っています。「大工方」「人形方」などの人たちは人形制作に半年ほど前から取り組み、自治会館にはすでに初めて手作りしたものとは思えない立派な人形が!「やればできるもんだ」と西沢組の親方(会長)の小野寺民雄さん。さらにはどうせ作るなら、と「今までの形は残しつつ‘西の沢カラーを出そう’と他の集落の山車とは一味違う工夫をしてある」のだとか。大変さの中に「どうせなら」と工夫を凝らすその心意気に感心させられます。
自治会活動に加え、自らも「大工方」として山車の馬人形制作に携わっている千葉さんは、集落として室根大祭の準備に取り組むことについて、「みなさん一生懸命に協力してくれている、それが何よりです」と笑顔を見せます。
結束力の強そうな西の沢自治会ですが、やはり会議や事業の出席率の低さが課題とのこと。とは言え、室根大祭の本番には各戸から人が出てきます。厳密には自治会活動とは言えないかもしれませんが、集落としての動きには変わりありません。
自治会としての今後の目標を「夏祭りを開催し続けることですかね。現状維持が大切です」と語ってくれた千葉さん。変わりゆく時代の中で、今の事業をいかに工夫しながら継続していくか……。山車制作という初めてのチャレンジにも明るく笑顔で取り組む西の沢のみなさんならそう難しいことではないかもしれません。
「花づくり」に取り組む婦人部のみなさん