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(idea 平成25年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
会長 :小野寺 寛(ひろし) さん
(平成21年度~平成25年度)
川崎町門崎の所萱自治会は、41世帯135人が暮らす山間部の集落です。定例会に多く集まってもらえる工夫をするなど、協力し合いながら地域づくりに努めています。
所萱地区は、川崎町の北部に位置し、北は東山町松川地区、東は千厩町磐清水地区と隣り合っています。全体的に山間地で、小高い山の中に民家が点在している、自然豊かな地域です。
「このあたりは耕地が少ないため、かつては、葉たばこ栽培や養蚕、冬期間は炭焼きをする家が多かったんです」と小野寺さん。そんな地域だからこそ、集落内で助け合って生活することが当たり前でした。「地域の少子高齢化は進み、自慢できる地域活動は何もありません」と謙遜する小野寺さんですが、最近地域が元気になる出来事がありました。それは、炭作りを復活させたことです。
地域の有志が「山かんざき桃源会」(代表小野寺忠浩さん)を組織し、炭を通じて地域活性化に取り組みました。昨年十一月に炭小屋を完成させ、その後に炭作りを開始。炭作りは支障木の再利用、出来た炭は各世帯へ備蓄用に配布。「得意分野の技術を提供してもらいました。人が集まると若い人も集まるので、久々に地区内が賑わいます」と嬉しそうに小野寺さんは語ります。
自治会は、総務部、産業部など8つの専門部で構成。高齢者の多い地域ですが、10名ほどの青年部も組織されており、これまで自由に使える年予算6万円を渡していました。「これが思わぬ成果を上げてきたんです」と小野寺さん。部員たちは、会員同士の親睦だけで終わってしまうのはもったいないと思うようになったのか、カーブミラーの清掃や大型資源回収への協力、公民館周辺の草刈りをはじめ、さらには、一人暮らしをしている高齢者宅の草刈りにまで活動の幅を広げていきました。「これらの活動を通じて、地域内で一人暮らしをしている高齢者の存在を知るきっかけができました」と部員たちは話しており、今では地域内に無くてはならない存在となりました。
自治会の話し合いは、これまでも定期的に行われてきましたが、その中でも人の集まりが少ないことが悩みの種でした。集まりやすくするためにはどうするかを考えた結果、7年前から毎月30日(2月は末日)に定例会を設定し、併せて次のような工夫をしました。
一つ目は、会費納入(一世帯月1000円)の場としたことです。以前は、7つの班ごとに班長が会費を集め回っていましたが、定例会の日を納入日に設定することで、班長の負担を軽減しました。
二つ目は、準備を簡素にしたことです。会場として使用する所萱公民館では、座布団を敷かない、お茶を出さないことにしたことで、準備や片付け時間を削減しました。
三つ目は、会議時間を30分に短縮したことです。会を担当する総務部が各部長と連絡調整し、次第を作成して会に臨みます。意見交換と情報交換の場と位置づけ、円滑な会議運営を心掛けるようになりました。
「集まりは良くなりました。全世帯出席とまではいかない時もありますが、最低でも8割以上の出席があります」と小野寺さんは語ります。
世代を受け継いで営まれてきた地域のつながりを守ろうと努力されている小野寺さん。そのお話に感銘を受け、古くから地域内を見守ってきたであろう夏木立の中を帰途につきました。