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(idea 平成24年vol.4掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
―つながりとまとまりのある舘萩―
自治会長 千葉良雄 様
舘萩地域は、川崎でも中山間地に位置し、自然豊かな立地を活かし、昔から畜産を中心とした牧歌的な農村の原風景が残る、ちゃっこい町の中でも一番ちゃっこい地域が舘萩です。30戸106人が暮らす舘萩地域での「つながり」と「まとまり」に誇りを持ち、地域の組織や行事について笑顔でお話をしてくださった自治会長の千葉良雄さん。舘萩地域のいいところについて、様々なお話を伺いました。
舘萩地域には、「萩の会」という組織があります。20歳以上の有志で構成される「青年部」で活動していた人が40歳になると加入する組織で、60歳以上になると「福祉高齢部」に加入する仕組みです。同世代の人との親睦を深めるだけでなく、それぞれの組織が行事等で集い、話す事によって、三世代での交流を生み出す事につながります。特に20代の若い人たちは一関市のスポーツ大会などに率先して参加し、数々の賞を受賞しています。川崎町で開催されるEボート大会には毎年参加しており、七福神や紋付袴などの工夫を凝らした衣裳で出場し、パフォーマンス賞を受賞しています。全戸数の住民が月に一回集まる「定例会」を通して、様々な組織の役割分担や行事の話し合い等を行っており、顔の見える関係が、地域の協力体制の強化に繋がっています。
一年を通して行事が盛んな舘萩地域。その行事は地域の顔ともいうべき「コミュニティゾーン」とも呼ぶ、公民館と多目的ステージを中心としたエリアで行われます。
岩手大学等の協力を得て取り組んだ「地元学」により整備した、地域の資源を紹介する「お宝マップ」を作ったり、地域の住民が総出で石垣を整備し、先人達より語り継がれている地域の神様を祀ったりしています。
春にはお花見会、田植え後に行われるさなぶり会、そして毎年8月15日には地域の一大イベントとして定着している納涼盆踊り大会があります。大会は青年部が中心となり様々なイベントが企画され、特にも大会の目玉ともいうべき豪華な景品が当たる「大抽選会」目当てに町内外から300名を超す参加者が集まったといいます。秋に開催している収穫大感謝祭では、地域おこしの一環として、鹿児島県からわざわざ取り寄せた「桜島だいこん」の種子を全戸に配布し、生育調査を兼ねて栽培してもらい、長年続けているジャンボかぼちゃコンクールと合わせ、大きさや重さ形などを競い合い、野菜の販売を行うイベントも開催しています。
また、地域に古くから伝わる「餅文化」を伝えるため、子どもたちも参加して臼と「せんぼんきぎ」と呼ばれる杵を使い、収穫の秋を迎え天と地に感謝し、長老が歌う餅つき歌に合わせて餅つき体験も行われています。季節を肌で感じる様々なイベントを通して、多くの人の交流が生まれている舘萩公民館。エリア内にある多目的ステージは、ふすさと創生事業の助成を受けながら、休みの日を返上して地域住民が総出で作業をし、平成8年に自分達の手で完成させた大切な地域の宝でもあります。取材を行った日は30度を超える真夏日でしたが、そばを流れる河と、木々のせせらぎが生み出す静けさで、なんとも心地の良い場所でした。
「舘萩には、こんな活動はもうやめればいいのに、と言う人はいない。みんなに参加してもらい、またみんなが協力体制をとっている。」と語る千葉さん。様々な組織や行事は日曜日に開催されることも多く、高い参加率には地域の結束力の高さが伺えます。「舘萩地域の人達は、昔から集まって飲み食いするのが好きな人が多い。」と千葉さん。「小さな地域だが、つながりをある程度意識しているのでまとまり、協力体制がある。自治会長として先に立って何かをするときに本当に支えられていると感じる。」という言葉からは、地域の人達に対する信頼と感謝の気持ちが伝わってきました。