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運動会優勝を記念して撮った集合写真
(賞状を持っているのが菅原英さん)
(idea 平成29年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:菅原英さん(3期5年目)
※菅原さんは自治会長と区長を兼務しています。
◆43世帯144人が暮らす弥栄7区。民区内に弥栄市民センター平沢分館(建物は平成2年に統合した平沢小学校の校舎)を有す、山や田畑に囲まれた農村地域です。
弥栄7区(以下「7区」)には以前「二言三言」でご紹介したカフェ「HIRASAWA F.MARKET」があり、今回お話を伺った区長の菅原英さんは、お店の開店時に自身が所有する古民家を店舗として貸すなど、地域を盛り上げようとする活動を応援してきました。
菅原さんは今から5年前、区長になるために当時勤めていたサービス関係の仕事を退職。区長になってからの感想をお聞きすると「地域の皆さんは民区の活動にとても協力的です」と感謝を口にする傍ら「区長をやっていて自分の言動に責任が生じることを痛感しました。それで細かいところまで気を使うようになったら、自分が『せこい(細かい)男』だと有名になってしまったんだよね」と苦笑い。区長の活動に面白さを感じながら、難しさを感じる瞬間もあるようです。
7区には「ゆとりの杜」という地元の人達が大切にしている憩いの場があります。国道から徒歩10分、林の中に開けた空間があり、そこにある小高く平らな丘は優に100人が入れるほど広く、中央付近には大きな東屋とテーブル・長椅子を配置。7区では春と秋に行う草刈り清掃後の休憩・懇親場所として活用しており「宅地から離れているので騒ぎ声を気にしなくて良いし、春は桜、秋は紅葉を楽しめる地元の人のみぞ知る憩いの場所です」と笑顔を見せます。
また、7区の自慢として挙げたのは弥栄地区全体で行う大運動会での5年連続優勝の記録。毎年、開催日前に主要役員が集まり、各種目に誰が出てもらうかを割り当て一覧にして全戸配布。「指名されれば“自分が出なければ”という気が起きてくる」と、住民の参加意識を高める工夫を語る菅原さん。「子どもが出ればその親や祖父母も続いて出てきてくれる。地域の方は協力を惜しまないし、『優勝』はその行動の証なのではないでしょうか」と誇ります。
運動会後に行う感謝祭では民区から皆さんに焼きそばや飲み物を用意するほかに、住民有志からかき氷、焼き肉やお寿司などを提供いただき、毎年お祭りのように賑わいます。0~93歳までが一堂に集まる数少ない場であり、運動会に参加した別の民区の子ども達も集まるそうです。
7区では会報紙「七区だより」を年6回発行。紙面では民区の活動紹介のほか、赤ちゃん誕生や幼稚園・小中学校に新しく入った子を名前入りで紹介し地域の子どもの成長や嬉しいニュースを皆で共有しています。中でも、一部で根強いファンがいると噂の「区長の独り言《自問自答》」は、菅原さんが日常の中のふとした瞬間に感じたことや閃いたことを短く綴ったもの。過去の会報紙を拝見し、特に心に響いたのは「美しい花を咲かせたければ、まずしっかり根を育てよ」という言葉。生き方や普段の行いを改めて考えさせられるような深い言葉の数々は、読んでいると前向きになり勇気や力が湧いてきます。
最後に菅原さんは、「情報を数多く集めてもそれはあくまで過去のデータに過ぎない。人が言う意見は個人的な経験や知識に基づいてのこと。重要なのはそれらの情報を吟味し法則やヒントを探すことでは」と、民区運営のコツを話してくださいました。
草刈り清掃の後に、ゆとりの杜で一服する皆さん