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(idea 平成24年vol.8掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
438世帯1298人の住民の6割強が団地や分譲住宅転入者で占める東山町柴宿地区で、自治会長と行政区長協議会会長を兼任し12年目になる鈴木孝男さんにお話を伺いました。
一関市が合併した平成17年に、サンヒル柴宿が分譲したが、62区間のうち売れたのはわずか3戸で、なかなか売れず雑草が生え防犯問題が起こりかねない、「これは祭りをやらないと!」という想いと、新旧住民の交流を目的に、軽トラフェスタ「交流のわ」は平成20年に地域おこし事業の一環で初めて行われ、来場者700人の大盛況でした。昨年からは自治会総合補助金を受けて開催しており、トラックやテントにそれぞれ持ち寄った品物で何を売ってもOKとして、育成会で集めた不用品等を売る子ども達の販売も始めたといいます。祭りを盛り上げる為、太鼓5団体・よさこい5団体の他、子ども神輿や踊りを行い、このイベントを通して、「隣の方と初めて話が出来た」と住民からの嬉しい声があり、宅地もその後売れ始め、今も建設中との事です。
平成17年4月に自主防災会を発足し、投光機や発電機等の必要品はすべて揃えており、3・11、4・7地震発生後、自宅はそのまま構わず、すぐ対策本部を作り住民の安否確認や被害状況確認等情報収集し、おにぎり準備や携帯電話の充電も行い、住民からは大変喜ばれたそうです。
震災を通して自主防災意識を高める為自治会の運動会に「担架づくりリレー」を取り入れたという鈴木さん。「担架づくりリレー」は、消防署から借りた水の出る消火器で的を倒し布で担架を作り怪我人を実際運ぶというもので、東山町民運動会でも採用されているそうです。訓練で身に付けた事を再確認する良い場だと感じました。
そして、今年9月には、28自主防災会で投光機・発電機の必要品を取り揃えたとのことです。
地域づくりに大切な自治会活動に、鈴木さんは様々なアイデアを出しています。地域で子育てをする為、2月には小学校入学祝いにノート等の文房具を、中学校入学祝いには運動靴を自治会からプレゼントし大変喜ばれているそうです。また、夏休みのラジオ体操は皆勤賞等準備し、家族皆で参加。その後行われる軽トラフェスタを盛り上げる為行うよさこいソーランの練習を1曲行う事で、新たに練習日を設ける事も無いと話す鈴木さんには常に地域の方への心配りが感じられます。また、公衆衛生組合連合会の助成金を活用し、28行政区子供会で6年生にポイ捨て防止の看板を作ってもらっているとの事。自治会の運動会に、大人も楽しんでもらえる様「ビールの早飲み」という種目も考え実行し盛り上がったそうです。平成21年の柴宿団地40周年創立記念文化祭には「新聞で見た」と盛岡から高齢のご夫婦がおいでになり、驚かされたと嬉しそうに語ってくれました。
祭りには子どもが必要、子どもの参加で三世代が集まる。そして自治会では融和と親睦を掲げ活動している。皆で楽しく参加出来る事業をする事(アメ)と規則に沿った自主防災をきちんと守りしっかり行っていく(ムチ)と話してくれた鈴木さんは、組織運営でブロック長8人をどのようにするか模索中とのことです。常にやってみてだめな時は次の対策を考え前向きに行動するという鈴木さんに、人を引き付けるパワーと器の広さを感じました。笑顔の中には優しい心配りと自治会という大家族を守っていくという強い信念が伝わってきました。