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区長 小野寺伸幸さん
(idea 平成30年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆区長:小野寺伸幸 さん(1期1年目)
◆舞川郵便局の西側に位置する舞川17民区。昔ながらの伝統的農耕の継承とその美しさで知られる金山棚田をはじめ、至る所で原風景が感じられるこの地域には現在44世帯150人が暮らしています。
「特別取材されるようなことは何もしていないから多分10分くらいで話が終わると思いますよ」取材をお願いする電話に、笑いと恐縮の入り混じった声でそう話してくれたのは、舞川17民区(以下「17区」)の区長、小野寺伸幸さん。今回は区長になってまだ半年という新人区長であり、68歳の今も週5日以上勤務しているという勤務と区長職を兼務している小野寺さんに、率直に今感じていることを伺ってみました。
「(区長に)なる予定はなかった」という小野寺さんですが、改選期に周囲から推され、勤務の関係と「心の準備」で1年間副区長として猶予期間を過ごした後、今年4月から区長に就任。民区で8年の役員経験(会計7年、副区長1年)があるとはいえ、実際勤務と区長の両立は「先代区長のやってきたことを踏襲するのが精いっぱい」なのが現状だそうです。
ただ、「踏襲している」活動の様子を伺うと、地域のまとまりも感じられます。例えば月1回のサロン活動には、ケアワーカー、包括ケア、駐在さんまで様々な機関・人の協力を得ながら、お世話役も含めおよそ20名もの参加があり、11月の舞川地区文化祭にはサロンで作った作品を出展しています。また、サロンだけでなく敬老会では当祝者の参加率が8割以上で、舞川全域の平均と比べても倍以上高く「とにかく高齢者の皆さんが元気です」と小野寺さん。
さらに自主防災会の活動を取り入れた世代間交流会では、炊き出し訓練やバケツリレーといった防災の取り組みから、年齢を問わず参加できる軽スポーツやレクリエーション、その後に芋の子汁や焼き肉での懇親会と続き、最後の抽選会がまた盛り上がります。
もう1つ、17区の有志の釣りクラブからスタートした「舞川自然クラブ」が開催している「水辺の環境まつり」(※現在は舞川市民センターが共催し17区以外の参加もあり)は、地域を流れる番台川を会場に、水生生物の観察、稚魚の放流や釣り大会、最後は水位を調整し、川へ入ってつかみ取りを行うというイベントで、30周年を迎えた今年は小学生以下の子どもたち、保護者、関係者ら総勢約100人が参加したそうです。
区長として改めて感じるのは協力的な地域性。前述の各種活動のほか、総会や草刈りなどへの参加率も非常に高く、そこには17区が昔から住んでいる世帯が多く「お互いの顔がわかる地域」であることも背景としてあり、特に役員経験者は自身の経験もあってか民区運営に理解のある方が多く、任期が終わってからも協力してくれるそうです。
一方見えてきた課題に役のなり手の問題があり、それは「区長が参加を要請される場が多すぎる」という別の悩みと無縁ではないかもしれません。勤務形態の多様化による世代間のコミュニケーション不足も感じていて「区長としての地域運営は始まったばかりでいまだ模索中。ただ、もう少し懇親の機会を多く持つことに取り組んでみたい。昔は『みんなで集まってやろう』という意識があって、運動会の団体種目を練習して10連覇を果たしたこともある。形はお花見でもなんでもいい。まずは集まる場(機会)を増やし、そこに参加する人を少しずつ増やすことで繋がりを強くしていければ」と、これからを見据えて語る小野寺さん。その顔はもう、区長としての表情に変わっていました。
30周年を迎えた水辺の環境まつり