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(idea 平成26年7月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
館長:小野寺忠さん(平成26年度~ 1期1年目)
花泉町老松地区宿集落は、37世帯、約140名が住む中山間地域です。長男会が組織され、集落の活動をリードしています。
宿集落は、花泉町老松地区の東側に位置し、県道21号花泉線藤沢線が東西に走る中山間地域です。この集落がある行政区は、宿・藤田・宮沢の3集落が一つになり第4行政区となっています。
今回は、宿集落公民館の館長を6年(3期)務めた千葉平城さんと、今年から新しく館長に就任した小野寺忠さんにお話を伺いました。
「元々は20数世帯の集落でしたが、北上川河川改修工事に伴う住居移転により、日形地区からこちらに新築移転する世帯が増えてきました。新しい住民の方には早く地域に馴染んでもらえるよう声掛けをしています」と語る千葉さん。
集落公民館は花泉地域独自の自治会組織で、ここでは1世帯4000円の年会費と市の補助を基に運営。
集落公民館の役員は館長、副館長、会計の3名。事業計画は、理事5名(館長・副館長・会計・長男会2名)を中心に話し合われ、このほか、防災部員、保健推進委員、女性生活学級委員、体育推進委員などが組織されており、それぞれの分野で地域を支えています。
宿集落には、俗にいう跡取り息子たちで構成される長男会という組織があります。「長男会は、集落内のけん引役で様々な活動をリードしています。特に、地元の英雄である『千葉惣左エ門』の物語を自分達で台本を作り劇にし、老松公民館の芸能発表会等で広く紹介しています。子供たちも出演しているので、この劇をきっかけに地元の英雄を広く知る機会になればと思っています。実は私もまだ会員です」と語る小野寺さん。
千葉惣左エ門は、寛政9(1797)年厳しい封建制度の下、旧一関藩領の十三カ村の農民が結集して起こした百姓一揆の総訴人の代表として知られています。自身は斬首の刑に処されたものの訴状は認められ、農民を救った惣左エ門は郷土の英雄として地域に祀られています。また、地元老松公民館では惣左エ門の活躍した姿を太鼓で表現した「流れ義民太鼓」がつくられ、様々な場面で演じられています。
また、長男会は毎年海の日に行われている恒例行事、「ふれあい夏祭り」の運営も担っています。会場は集落公民館の庭が狭いために、近くの広場を使います。「結婚のため他地区へ行った子供たちを招待して住民と一緒に楽しむ一大イベントで、ずいぶんと前から行われています。最近も東京から3家族が参加していただいたこともありました。また、転入世帯の方とも親睦を深める良い機会となっています」と千葉さんは語ります。
「昔からまとまりのある集落と周りから言われているようです。新館長としてそれをいかに持続させていくか。皆が参加したいと思う公民館活動に取り組んでいきたい」と小野寺さんは抱負を語ります。お二人の話からは、いかにして集落を穏やかにまとめるかという想いが感じられました。