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(idea 平成24年vol.6掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
突然ですが、みなさんは「内沢集落新聞」をご存知ですか?内沢地域に住む人たちがまとまり、「良い方向に方向に動き出した」歴史と思い出がつまっています。56戸210人が暮らす花泉町内沢集落の公民館長と区長を兼任し、地域の新聞を作り続けてきた岩渕さんに、地域への想いを伺いました。
平成17年9月20日に行われた一関市の合併。それまで公民館活動をしていたものの、人数が少なく、行事と言えば伝統の「大名行列」ぐらいだった内沢集落ですが「花泉町として最後の記念に出てみよう」という集落の有志の方数名の提案で、花泉町で行われた「日本一の餅つき大会」への出場を決意。当初は、参加に対して消極的な意見もあったそう。しかし、いざ始まると、イメージカラーの黄色をあしらったハッピを作ったり、地域の子どもが踊りに参加したり、踊りを教えるため、お年寄りが参加したりと、地域の人達を巻き込んで参加する一大イベントに。一回目の出場では惜しくも優勝を逃したものの、翌年から2年連続でグランプリを受賞。このときの盛り上がりは、その後の「花いっぱいコンクール」への参加、地域の方全員に対して行う弔辞の読み上げ、地域行事への子どもの参加、唄や踊りのコンテストへの出場などにつながり、盛り上がりは内沢集落から周辺の集落へと刺激を与えました。
「内沢集落新聞」は月に一回発行され、平成24年の9月で76号目。地域で赤ちゃんが生まれた時、入学式、成人式、米寿のお祝いなどの節目には、岩渕さんが出かけて行き、許可を得て写真を掲載。老人クラブからの寄稿のほか、地域の人口、年齢、性別から地域の高齢化率を計算したグラフを作る事も。区長としての仕事をしていると、地域の行事やそこに暮らす人たちの様子が分かる半面、個人情報にも気をつけているといいます。新聞の発行を続ける理由について「あの時はこういうことがあったな、という思い出づくりや、行事で顔を合わせたときの会話のきっかけになる」と岩渕さん。地域の人たちを見守る温かい眼差しが、新聞の持ち味となっています。
「こういう活動があったほうがいい、と共鳴してもらえる人、応援してもらえる人がいるからこそ出来ることです。」と岩渕さん。「人が集まらなければ物事は出来ないもの。だからこそ、地域の中に入って行く事、時間をかけて、みんなに顔と名前を覚えてもらう事から始めて、始めは自分はやりたくない、と言う人にも、鉄砲づくりなど、工作の先生や、踊りを教える先生役などをやって頂くなど、いいところを引き出していくうちに、私達もやろう、というものが生まれるといいですね。」と地域づくりの秘訣を語ります。区長と集落公民館長の兼任について「テストケース」と語る岩渕さん。持ち前の明るく前向きな考え方と素敵な笑顔で、これからも内沢集落の魅力を発信していきます。