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歳祝いを兼ねた新年交賀会での集合写真(令和2年)
(idea 2020年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
昭和50年設立。41世帯、143人が暮らす中山間地域。総務、環境防災、女性、産業、文教、福祉保健、青年、産業部で組織されています。
第37区自治会は藤沢町保呂羽地区にある保呂羽山山麓の南西部に位置し、地域の中心を県道藤沢大籠線と黄海川が横断している中山間地域です。
今回お話を伺った自治会長の岩渕敏さんと副会長兼行政区長の山口晴伸さんは、若い時は就職などで一旦藤沢を離れていましたが、自治会が設立された昭和50年に2人が地元に帰ってきたということもあり、長年自治会活動の中心を担ってきました。
設立当初は地域内の旧稚蚕飼育所を集会所としていましたが、昭和60年に自治会員が一丸となって廃校舎の材料なども利用して現在の自治会館を建設。当時は自治会内に中高生部を設けたり、自治会館の中に「こども図書館」を作って自由に利用できるようにしたりと子どもを中心とした活動も活発でしたが、近年は、少子化の影響で子供会は保呂羽地区(4行政区)でまとまって活動するようになっています。自治会館やお寺の境内で行っていた夏祭りも藤沢町全体でのお祭り「縄文の炎・藤沢野焼祭」の開始とともに縮小し、藤沢野焼祭への参加へ移行していく形となりました。
時代や環境の変化に影響を受けながらも、自治会を通じて住民がつながれるような雰囲気作りや安心して暮らし続けるための取り組みを模索している同自治会に、その工夫や想いなどを伺いました。
「自治会活動を計画するとみんな来てくれる。目新しいことはしていないが、活動が地域に定着してきているということでは」と話す岩渕さん。自治会の研修旅行には41世帯から35人程の参加があるなど昔から活動への参加率は良いそうです。「働き方も様々になってきたので日程調整には配慮している」とのことで、春先は環境整備と料理教室、秋には防犯・防災教室とサロンを抱き合わせるなど、年に数回でも自治会館に地域内の家族が集まり、食事や会話を楽しむ機会を大切にしています。
また、自慢の活動のひとつが藤沢野焼祭に出品する作品づくりです。自治会や個人で出品した粘土の作品が会場内の窯で焼き上げられ、審査・表彰されるのですが、同自治会は文教部と青年部が中心となり、10年以上入賞を続けています。
当初は本などを見ながら作品を作っていた結果、なかなか入賞には届かなかったそうですが、あるときから自由な発想での作品づくりに転換。青年部長として長年作品づくりに参加してきた山口さんは「ある程度テーマは決めて作り始めるが、思ったようには進まない。途中形が崩れたりしても、そこから想像を膨らませて作る」と作品づくりを楽しむようにしたところ、その独自性が評価され、平成15年に藤沢町長賞を受賞。「みんなの自信につながった」と山口さんは振り返ります。その後も最高賞にあたる「塩野半十郎大賞」を3回受賞するなど、意欲的に作品づくりを続け、若者が集まる機会にもなっています。
近年では、自治会内の防災組織の見直しにも着手。無料通信アプリ「LINE」のグループ機能を使って防災連絡網の作成を始めたのだとか。自然災害による被害箇所を撮影した画像をLINEで共有し、行政区長も兼任している山口さんが必要に応じて行政に連絡するという取り組みも始めました。「まだ自治会全体に浸透しているわけではないが、災害時にすぐに動けるようにしておきたい」と岩渕さんは話します。
また、一人暮らし世帯は自治会内に1世帯のみである一方、空き家が増えてきていることを自治会としての課題と捉え、空き家となった家の出身者と連絡を取り、班の中で管理などを協力する仕組みを模索中とのこと。「住むには良い場所なので、家だけは守ってもらい、空き家の活用などもできたら良い」と、できることから少しずつ取り組みが進められています。
「負担になると参加が難しくなる。気楽に集まってもらえるような活動を続けていきたい」と今後の自治会活動について話す岩渕さん。自治会含め多数担っていた地域活動の事務も、現在は少しずつ後任者への引き継ぎを始めているとのことで、人が集い、暮らし続けられる場としての自治会をこれからもみんなでつくっていきます。
いわぶちさとし
岩渕敏さん
自治会長は1期2年目ですが、自治会設立当初から事務局のサポートや役員を務めてきました。
A.地域の和
やまぐちはるのぶ
山口晴伸さん
これまで青年部長なども務め、スポーツ行事や野焼作品づくりなどでも大活躍。
A.野焼大賞 4回目を目指す
自治会館前や館内のステージの上には、これまで野焼祭で受賞した作品や賞状が飾られています。
藤沢町全体の一斉清掃のほか、自治会独自の環境整備も実施。地域内の道路や河川の草刈り、ゴミ拾いを行っています。
3つの花壇を2班毎に管理。今年はコロナの影響で行事が縮小した分、屋外での活動が貴重な交流の機会になりました。
年に1回は環境整備と合わせて料理教室を行い、環境整備が終わったら自治会館でみんなで食事と会話を楽しみます。