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区長 山田匡(きょう)さん
(idea 平成30年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆区長:山田匡さん(1期1年目)
◆元の真滝1区は平成2年に三関区となり、さらに平成5年に4つに分区されました。その内の1つである三関2民区は一ノ関駅から約500m東に位置し、341世帯786人が暮らしています。
「三関に来て40年近く経つが、地域でのしがらみは感じない」そう語るのは今回お話を伺った三関2民区(以下「2区」)区長の山田匡さんです。2区では29年度の総会で、半数近くの条文に手を加えたかなり大規模な規約改正が行われました。曖昧だった部分(役員の選出過程や役割など)をより明確にしており、しばしば「辞められないから引き受けたくない」と言われることもある役員についても、任期を通算4年までとするなど個人(家庭)の負担軽減に配慮しています。
その後の役員改選で新区長に選出された山田さんは、PTAなどの活動経験やしがらみのなさを活かし、「みんなで取り組む」「なぜ?を考える」というスタンスで、従来の慣例に囚われない活動に取り組んでいます。
例えば、民区広報の作成もあえて役員持ち回り制とし、出来栄えそのものより「みんなで取り組む」ことを優先しています。そこには多少の失敗はみんなでカバーしつつ、経験のない人でも役員が務まる仕組みづくりを目指すという意志が込められているのです。
現在2区には戸建て住宅のほかにアパートも多く、有料老人ホーム・高校生を受け入れている下宿・各種事業所などもあり、国籍・性別・年齢・生活様式など多様な住民が暮らしています。「住民同士がお互いの多様性を認め合い、短期間だけここに住む人も含め、それぞれが『ハッピー』『ここに住んで良かった』と思える地域にしていけたら」と前を見据える山田さん。
新年会・親睦会のほか、防災上の配慮などによる老人ホームの会議・避難訓練への参加や、民区広報での事業所紹介。さらに下宿の高校生達の一斉清掃参加など、多面的な連携の取り組みも生まれてきています。
山田さんは住民が『ハッピー』な気持ちで生活する上で「同じ地域に住んでいる者同士が気軽にあいさつできる環境」を重視しています。そこで、2区の取り組みの中で最も参加率が高いのが春秋の一斉清掃であることや、ゴミ集積所へゴミ出しをする往復途中が、多様な生活様式の住民同士が顔を合せやすい機会になっていることを踏まえ、ゴミ集積所を基点とし、これらを結ぶ道路を「さわやかステーションふれあいロード」と命名。現在ふれあいロードですれ違う人同士があいさつすることを目指す取り組みを始めています。
「地域の繋がりがあってこそインターネットより早く地域の情報がわかる」という山田さんは、「とは言っても、地域の繋がりは決して強制したり深く踏み込むことでできるものでもないと思う。ハリネズミのようにつかず離れずの距離感を意識し、あいさつというある意味『さもない』関わり合いを持つことができれば、繋がりはそこから生まれてくるのではないか」と続け、力まず気持ちに余裕をもって向き合う姿勢を見せます。
「人には寿命の長さに関わらず、人間として生きてきた幸せというものがある。誰かを支える期間と同じだけ誰かに支えられる期間があることに気付き、変えられない過去ではなく変えられる未来に向かって納得いく人生を送ることができるかどうか」そう語る山田さんからは、区長として誰かを支え、2区の未来に向け納得できる仕事をしようとしている、そんな想いが強く伝わってきました…。
桜町中学校への通学路でもある「ふれあいロード」には、今日もあいさつの声が響いています。
ゴミ集積所(手前左)を結ぶふれあいロード