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今年6月の街路環境整備作業での1枚
(前列の一番左が区長の那須さん)
(idea 平成30年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆区長:那須 英喜 さん(5期10年目)
◆山目五民区は、国道4号線沿いの一関市消防本部から西側を区域とし、山目地区最多の569世帯1,286名が生活。住所は中野と境に分けられ、民家やアパートのほか50以上の事業所を有しています。
山目五民区(以下「5区」)は、昭和52年に旧山目四区(銅谷・前田・三反田・境・中野)から独立してできた民区で、今年で発足42年を迎えます。発足当時は150世帯ほどでしたが、高速道一関インターの開通や、病院・公共施設・大型店舗等が建ち、賑わいや利便性の良さから徐々に人口が増加。空き家は即売で、住民の7割以上が外から移住して来た方という5区の3つの取り組みについて、区長の那須英喜さんにお話を伺いました。
1つめは広報「5区のひろば」制作の工夫について。前区長さんから引き継いだ時に「長続きするよう無理のない方法で作ろう」と編集委員会を組織し、那須さんは委員長ではなく文責発行人に。各事業を主催する方にその記事を書いてもらうよう役割分担し、印刷は民区内の印刷会社さんへ依頼、そこで働く社長さんも編集委員になっています。A4またはA3の両面(片面カラー)・年4回・650部の発行ですが、発行費の3分の2は補助金の活用、残りは事業所の広告収入(1マス3,000円)により民区の負担金はゼロ。人や事業所との連携、補助金活用などにより仕事を分散し、かつ有効的に運営しています。
住民から特に人気なのは「おたっしゃで」シリーズ。永年お住まいの方を対象に、ご家族のプロフィールやルーツ(出身や学生時代の思い出、就職、ご夫婦の出会い、趣味など)、人となりを顔写真付きでご紹介。取材ではどなたも快く嬉しそうにお話ししてくださるそうで、人口が多い5区では、この記事が‘住民が住民を知る’架け橋の役目を担っているようです。
2つめは花壇整備活動について。民区内の歩道には120㎝×80㎝ほどの花壇が各所にありますが、手入れが行き届かず植物もほぼ放置状態でした。そんな中、環境部長の高橋さんが空いている花壇にヒマワリを植えると、その動きが周囲に広まりあちこちの花壇が華やかに。「地域の美化は地域の手でやる」を念頭に雑草抜きや清掃などを行い、花壇は「5民区の心が結ぶ花ロード」になりました。地域を想っての1人の行動が周囲の心を動かした、心温まるエピソードです。
3つめは今年度10回目を迎える世代間交流事業について。「昔の文化や遊びを子ども達に教えたい。我々が伝えないと一生知らないで生きる子どももいるかも」という思いで平成21年からスタート。
初回は餅本膳を食べながら餅の種類や食べ方を勉強。翌年は、配志和神社の宮司さんを講師にしめ縄のいわれを学び手作りしたり、空き駐車場に作ったスキー場で竹スキーに挑戦したり、役員が民区地図を元に手作りした巨大すごろくをしながら交通マナーを確認(横断歩道を渡る時は左右確認など)したりと、毎年趣向を凝らしています。平成27年は水沢の天文台でILCに関する研修、その中で描いたポスターを子ども神輿に貼ったり、FMラジオを手作りしたりと近代的な内容に変更。「親子の交流では、母と子より父と子の方が少ない気がします。この事業が父と子の触れ合う機会にもなれば」と語る那須さん。
人や事業所、団体との連携や「皆でやる」雰囲気づくりで負担が分散され、余裕ができ、楽しみながらより充実した活動ができている5区の運営。自然と協力者が集まり力添えするような、そんな温かさを感じました。
即席のスキー場での竹スキー体験。
竹スキーは大人が手作りしました。