12月3日(日)は舞川の一関文化伝承館で、第20回目となる「一関地方伝承芸能継承交流会」が開催され、舞川と中里の7団体がステージで伝統芸能を披露しました。私が会場入りしたのは9時40分。次第2番の川西大念佛剣舞子ども同好会さんによる「入剣舞、三人怒者」が行われていました。
今回見ることができた伝統芸能団体さんのみ、こちらでご紹介させていただきます。
〇「入剣舞、三人怒者」川西大念佛剣舞子ども同好会さん
昭和60年の学習発表会で6年生が保存会のご指導を受けて発表したのが始まりで、「川西大念佛剣舞」は平成5年に国の重要無形文化財に指定されています。本日は小学2年生から6年生までの児童の皆さんが舞を披露してくれました。
〇「鶏舞」鶏舞踊り隊さん
「鶏舞」は昭和52年から旧中里中学校で取り組み始まり、生徒に自信と誇りを培い中里地域の
“宝”として継承されてきました。以後、中里中学校閉校に伴い、鶏舞は小学校と地域に引き継がれ、現在は鶏舞の魅力に惹かれた参加者が「鶏舞踊り隊」を結成し活動しています。
〇「鹿子躍」舞川小学校さん
こちらの鹿子躍は宮城県志津川を発祥の地とする「行山流鹿子躍」が元禄13年に伝わったのが始まりとされ、約300年あまり続いています。鹿子躍は通常8名で躍られ、特徴的なのは鹿角のついた頭に締太鼓と背中の大きな『ササラ』です。舞川小学校では3年生以上の舞草地区の児童が鶏舞に、相川地区の児童が鹿子躍に取り組んでいます。
〇「親子舞(カイナ差し、お脇拂い)」善楽流獅子舞保存会さん
悪魔祓い、家内安全、五穀豊穣、悪病除け、交通安全として地域に伝承されている獅子舞で、今会披露された「親子舞」は、日常生活の家内安全を願い払い清める基本的な舞いとのことでした。
〇「羽衣」蓬田神楽保存会さん
蓬田神楽は一関市舞川地区の蓬田部落に鎮座する「大威徳天満宮」に奉納する神楽として、明治時代中期に初代庭元蓬田大助さんによって創設され、平成28年7月には一関市無形文化財に指定されました。今会で披露された「羽衣」は日本神話に纏わる演目で、天女の着物を拾った漁師と、着物の持ち主である天女の2人の物語です。
〇「三人舞」行山流舞川獅子躍保存会さん
行山流舞川獅子躍は元禄13年に仙台領本吉群三戸辺村の伊藤伴内持遠を元祖として発祥したもので、昭和32年から保存会としての活動が行われています。3頭の牡鹿が雌鹿を求め、本望成就を展開する様子を躍動ある動きで表現しています。
各伝統芸能の由来等を当日プログラムから抜粋しご紹介させていただきました。一関市各地域にはたくさんの伝統芸能が継承・保存されていますが、今回の交流会では舞川、中里の伝統芸能を一度に見られる貴重な機会でした。後継者不足という課題も聞こえてくる中、今回舞を披露してくれた方は子どもや若者、女性も多く、若々しさや力強さを感じる演目ばかりで嬉しく感じます。
「地域の伝統芸能をあまり見たことがない」という方にとっても今回のような交流会は良い場だと思いますし、次回はもっとたくさんの方に来ていただきたいなと思います!